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一番大切な人の一番好きな人

声が聞こえる。




「なまえ、・・!」

目を開けて、最初に視界に入ってきたのは久秀の泣きそうな顔だった。黒くなったり、白くなったりする世界で、それをよく確かめる。

「久秀・・・?」

発した自分の声は予想をしなかったくらい掠れていた。なまえの声を聞き久秀は安堵したように表情をゆがませた後に、大きなため息をついた。

「どしたの、」
「・・・一週間も目を覚まさないでよくそんな口を利けたものだな」
「・・いっしゅうかん?」

久秀のその言葉を聞き今度はなまえが目を見開いた。何が起こったのかよく分からないまま自分は過去から現在に戻ってきた。勝姫の言うことの意味も理解できずに今に至る。しかし向こうに居た時間は一週間どころの話ではない。

「そんなに短い・・・」
「何を言っているのだ、卿は城の階段から落ちて頭を打って、・・それから一週間目を覚まさないで・・・」

それから長々と説教を始めた久秀の言葉もなまえはあまり耳に入らずに、不安から解放された安堵と、なまえの目が覚めたことに嬉しさを覚えた表情を浮かべる久秀の顔をじっと見つめていた。

「全く卿は、」
「あのね、久秀 」
「・・、まだ話の途中だと、」
「俺、姫に会ったんだ」

姫、という言葉に疑問を持ったのか顔をしかめる久秀を見てなまえは続けた。

「久秀の奥さん、 勝姫、」

その瞬間だった。今までなまえが見たことの無いような表情を久秀は浮かべ、先程まで開きかけていた口を閉じていた。

「何を、 卿は言って、」
「姫にね、久秀さんは寂しがりやだからよろしくって」

夢でも妄想でもないんだよ、勝姫に会って、そう言われたんだよ。と今まであったことをありのまま話すなまえを久秀は黙って見つめているかと思ったその時だった。
ぽつりと久秀の瞳から涙が落ちて


「あの女は、・・・全く」


そう、一言だけ。止まらない涙に後ろめたさを感じた久秀はなまえから顔を背けて袖でそれを拭った。

「久秀、泣かないでよう、」

上半身だけ起こした創痍は久秀の身体を引き寄せて後ろから抱きしめた。

「俺、姫にあえてよかったんだ、」
「・・・、」
「今度姫のお墓参りいこうよ」

そう言えば僅かに頷いた久秀の動作を確認して、なまえは久秀の背に顔をうずめた。開いた襖の隙間から入ってきた春風に勝姫のことを思い出されてなまえはつられてこみ上げてくるものを抑え切れなかった。



おわり

なんというひどい終わり方\(^o^)/
途中から収集着かなくなってどうしようどうしようとなった結果がこれです
もうなんだかすいません勝姫が好きです・・・それだけのことなんです・・・
松永夫婦が好きだァーッ
おわります!ごめんなさいもう終わり方については触れないであげてください!スイマセン海に飛び込んできます!


ていうか久秀さんが泣き虫ですいません