お姫様は女王様
「みんなには見えないのかなぁ」
「そうだねぇ」
あれから久秀に部屋を追い出され、二人は少女の部屋に来ていた。
「へんなの!あなた幽霊なの?」
「幽霊じゃないよう!人間!」
「じゃあ何で見えないんだろうねぇ・・まあいいや、おもしろいし」
少女はなまえの顔をじっと見つめる。そしてなまえは思い出した、というように少女に聞いた。
「ごめん、まだ名前聞いてない、」
「わっ、そうだった! 私勝姫、久秀さんの奥さんなの!」
得意げに笑う勝姫を見てなまえはこの人だったのか、と確信した。
おそらく自分は今、何らかの影響で過去に来ているのだ。多分階段から落ちたせいだとなまえは勝手に確信を持ち、そう思った。
「姫ってよんで!みんなには見えないけど、なまえは今日から私の奴隷!」
「ど、 奴隷・・・?」
勝姫はなまえを押し倒して腹の上に乗った。
「いたっ、姫、 ひどいよう」
「ひどくないもん!なまえは奴隷だから何でも言うこと聞いてね!」
嬉しそうに笑う勝姫を見て、なまえは何もいえなかった。
あの久秀に、この妻。似たもの同士なのかもしれない、となまえは思う。
しかし勝姫は久秀よりずっと子供らしかったが。