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拍手ありがとうございました!
拍手お礼は2種類!男主×立花さん→男主×久秀さんの順番です。
まずは×立花さん小説から。現代パロディです

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「いらっしゃいませ」

ケーキ屋さんに熊がいる。それが、俺が最初にその人と出会ったときの感想だ。その日は妹の誕生日だった。朝から『お兄ちゃん絶対ケーキ買ってきてよね!』と俺の周りをぐるぐる回りながら、まるで雛鳥のようにピーピー鳴く妹があまりにも目障りだったから、帰りにたまたま見つけた"Tachibana"と書かれた看板のかかげられたプロヴァンスの雰囲気を思わせるケーキ屋に入った。あまりにも可愛らしい風貌の店だったから、出迎えてくれるのはてっきり可愛い美人かと思えば、がっしりした体型のプロレスラーを連想させる、立派な髭を蓄えたおじさんだったのだ。驚いて数秒その人を凝視していた。その人も、固まったままの俺を見て不振に思ったのか、眉間に段々と皺がよっているのが分かった。

「 ・・・!すいません、妹の誕生日ケーキを買いに来て・・・」
「こちらこそ・・・!失礼しました、誕生日ケーキですね」

ショーケースを前に、俺は妹が好きそうな、何種類もフルーツが乗ったいかにも甘ったるそうなケーキを指さしておじさんにそう言った。おじさんの体が大きいせいで、1ホールのケーキが余計小さく見える。

「あの、」
「はい?」

ぱちりと目が合って。

「全部おじさんが作ってるんですか?」
「そうですよ」

怖そうだな、と思っていたおじさんの表情は、そのときとても柔らかく笑って。だから俺はふいをつかれたんだ、おじさんのその笑顔に。

「あ、」

おじさんはその大きな手で器用にケーキを箱にいれて、ラッピングをして、袋につめていた。

「あの・・・おじさん、」
「何でしょうか?」

「ここって、・・・バイトの募集とかしてます?」

なんでかは分からない。毎週合コンして、女の子と遊んで、人並みに人生を楽しんでた普通の大学生の俺はなぜかこのおじさんに恋をした。


パティシエの立花さん

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