怖い夢を見るから
2011/07/25 19:50
怖い夢を見る。
だからどうしてもぬくもりを求めるのだ。
「久秀、こわいよ、」
布団の中で久秀の手を握った。久秀は目をす、と細めて創痍の顔を見た。今にも泣き出しそうな彼の瞳は涙の膜が張っていた。青い瞳がゆらゆらと揺れる。
「・・・大丈夫だよ」
「、でも、 」
久秀が創痍の手を握り返して、もう片方の手で創痍の頭を撫でた。
擦り寄る創痍はまるで子供だった。
時折そのような行動を見せる、創痍は不安定なことがあった。
「私がいる」
そう言えば、創痍は涙を一筋落として、もう一度だけ久秀の名前を呼んだ。
「離れないで、」
「離すものかね」
依存しているのは。
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