沖田さんの手はするりと俺の左の横髪を耳にかけて意地悪な笑みを浮かべた
「顔赤いよ」
『あんたのせいだ…!///』
「へぇ。だったら責任取らないと、ね」
猪口を置くと俺に近寄ってくる沖田さんに目を見開いてるしかできねぇ
徳利を持つ手に手が添えられて、もう片手で顎を掬い上げられる。抵抗すりゃいいのに、月の光を背に浴びて淡く微笑む沖田さんに魅入ってしまう
「…いいの?このまま食べちゃうよ」
『っ!///』
「おっと」
我に返った途端に殴ろうとしたけどあっさりと避けられてしまう
『巡察行ってくる。あんたはもう寝ろ!///』
熱くなった頬を隠すために徳利を乱暴に置くとさっさと玄関に向かう
「可愛いなぁ」
至極楽しそうに笑って酒を呑み干すと空を見上げて月を見つめる
「怪我なんてしなきゃいいんだけど
怪我をさせた奴は許さないけどね。」
腰を上げて自室に戻りながら次はどうからかうか考えつつ、どう着物を着せるか考えるのだった
END