「で、何で俺を呼び出したわけ?女子はもう部活終わったから帰りたいんだけど。」
「何でって、森山、お前分かってて言ってるだろ。」
「はいはい、紗夜ちゃんのことだろ?いくら俺でも既婚者相手にアタックしないよ。」


森山を体育館の外に出して話したのがつい数分前の出来事だ。俺は、「紗夜をわざと生徒にさらしたこと」について聞くつもりだった。森山のことだから、どうせ面白そうだったからとかそういうことだと思っていた。


大学の時、俺と紗夜が出会う前から森山と紗夜は知り合いだった。というか、紗夜を俺に紹介したのは森山だ。好きな女なんかコロコロ変える奴だから本当のことはわからないが、ただ、俺の考えが正しいなら……森山は、紗夜のことが好きだったんじゃないか?


そして、今でも。


彼の愛の行方
(どこかに着地することなく)
(静かに消えてしまった。)



 


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