ただ今私は海常高校の正門の前にいます。今日は一日練らしく、朝早く幸男くんを見送った。それがたぶん7時くらいのこと。それで、10時過ぎに幸男くんから『悪いけど着替えを持ってきてほしい』という連絡をもらい、今に至るわけだ。体育館まで行こうか?と聞いてはみたけど、目立つから正門でいいと言われてしまった。でも、さっきから登下校する子達にはばっちり視線を頂いている。これじゃあ、どこでも同じじゃないの?下校する生徒の中に女バスっぽい子がいる…体育館まで案内してもらおうか。そう思って軽く近づくと女子生徒たちの会話が聞こえてきた。
「今日も森山先生面白かったね!」
「かっこいいし、面白いし、やっぱ森山先生好きだなー。練習厳しいけど。」
「でも高校時代は女たらしだったって聞いたよ!」
「それは今もじゃない?女子には優しいし。」
…森山?いや、まさか。先輩が幸男くんと同じ学校で働いてるとかありえないよね。その前に森山先輩ってほんとに教師になったの?でも、女たらしとか心当たりがありすぎるよ。
「あれ、紗夜ちゃん?」
ああ、予想的中だ。最悪だ。彼には、森山先輩には、会いたくなかったのに。
「お久しぶりですね、森山先輩。」
相変わらずな彼
(嫌味なほど)
(綺麗な笑顔)
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