朝起きて、一緒にご飯を食べて、見送って、仕事して、お迎えして、一緒にご飯を食べて、寝る。そんな生活をし始めてもう一年がくる。別に、この生活に不満はないし、むしろ安定した生活をおくれているから構わないんだけど。法的な繋がりがないのはやっぱり、不安だし、何より寂しかった。


でも、弱虫な私には何も出来なくて。いつも通り、晩御飯を食べた後リビングで一緒にテレビを見ていた。ソファーに二人並んで座る。そしたら、幸男くんが不意に私の頭を撫で始めた。珍しいなと思って幸男くんの方を見てみたけど、彼の視線の先はテレビ。撫でる手が止まったから、私もテレビに視線を戻したら、また撫で始めた。もう、何なんだ!もう一度幸男くんの方を向こうと思って首を回そうとしたけど、頭の上にある幸男くんの手がそれを許してくれない。だから、幸男くんの方を見るのを断念して力を抜いたとき、


「結婚、するか。」


彼の方から、小さな、でもはっきりとした声が聞こえてきた。その言葉は明らかに肯定文で、私の答えなんて聞かなくてもわかっていると言っているようだった。でも、間違いなく私が欲しかった言葉だ。嬉しくて、涙が止まらなくて、泣きながら返事をしたら、


「幸せにするから。」


そう言いながら、私の涙を拭ってくれた。


私達、結婚します。
(これから始まるのは)
(夢のような物語である。)



 


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