あれから晩御飯を食べながらお酒飲んで二人の近況報告を聞いていた。本当に久々らしく、黄瀬さんも幸男くんも話を止めることはない。邪魔にならないようにと、しばらく席を外したら、帰った時にはソファで寝ている幸男くんと横で苦笑いを浮かべる黄瀬さんがいた。


「ごめんね、幸男くんが一番に潰れるとは思ってなかったよ。」
「笠松先輩って意外とお酒弱いっスからね。まぁ、笠松先輩いたら紗夜さんと話せないし、俺からしたら好都合なんスけど。」
「……私と話したかったの?」
「話したかったというか、笠松先輩といる紗夜さん見て、聞きたいことができたというか。」
「聞きたいこと?」
「笠松先輩って、女の子苦手じゃないっスか。今では大分ましにはなったようだけど。紗夜さんはどうだったのかなあーと思って。」


ああ、そういえば幸男くん女の子苦手だったなぁ。私も最初は面白がってたんだけどな。


「大学の時はほんと駄目で、無駄に近づいたりして遊んでたんだけどね。馴れたら大丈夫みたい。今では完全に私が遊ばれる側だよ。」
「へぇ、紗夜さん遊ばれてるんだ。」


黄瀬さんは私の方を見ながらニヤニヤしている。失礼だな!最近は遊ばれてないし…あれ?最近はあんまり幸男くんに遊ばれてない。たぶん、私が学校に行った日くらいからだ。もんもんと考えていると黄瀬さんがため息をひとつついて話し始めた。


「笠松先輩、最近色々悩んでるぽいっスよ。森山先輩と何かあったみたいで。」
「森山先輩?どうして?」
「森山先輩が紗夜さんのこと気にしてるように見えるって。何かあったんスか?」
「…大学生の時、告白されたことがあるの、森山先輩に。断ったけど。あとは特に何もなかったと思うけど。告白がしつこかったことを除けば。」


へぇ、って黄瀬さんは返事をするもののどこか興味がなさそうだ。すると黄瀬さんはいきなり幸男くんのお腹にチョップした。


「…痛っ!何すんだ、黄瀬!」
「寝たフリなんかせずにいい加減起きたらどうなんスか。ここからは俺は関係ないし、夫婦の問題は夫婦で解決して下さい!じゃ、俺帰るんで。」


黄瀬さんは荷物を持つと、そそくさと帰ってしまった。


キューピッドの帰宅
(どうせなら結論まで)
(見守ってくれてもいいじゃない。)




 


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