「紗夜、今日の夜客来るんだけどさ、そいつの分も飯作っといてくれないか?」
「いいけど。一人?」
「あぁ、高校の時の後輩だよ。」


珍しい。てか、幸男くんが後輩連れてくるなんて初めてじゃない?なんか、嫌そうな顔してるし。もしかして、ほんとは連れてきたくないとか?


「でも、急にどうして?」
「前々から来たいとは言ってたんだけど、あいつ忙しいからなかなか来れなかったんだよ。で、今日、急遽予定が空いたんだとさ。俺も会うの久々なんだよ。」
「久々に会うとか言ってる割には嬉しそうな顔してないじゃん。嫌いな子なの?」


別に嫌いじゃないけど、と少し端切れの悪い返事が帰ってくる。あぁ、もしかして私、邪魔とか?久々の再会だから二人がいい!みたいな。


「あ、私いない方がいいなら、夜は何処かに出掛けてくるよ?」
「いや、それじゃ意味ないんだけど。」
「……え?」
「お前に会いたいんだとさ。嫌だって断ったんだけど、一回でいいからって言われて仕方なく、な。」


……どうして、どうして私に会わせたくないの?私が頼りないから?いい奥さんじゃないから?そんなことをもんもんと考えていたら、顔に出ていたのか、 幸男くんに頭をチョップされた。



「バーカ。お前を会わせたくないのは、好きだからだよ、紗夜のことが。好きな奴を他の男に紹介したくないのは当たり前だろ?」


頭を撫でる幸男くんの手はとっても優しくて温かかった。


君の心の温かさ
(貴方の触れたところから)
(優しさが伝わってくる。)




 


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