I・Hが終わり、大分過ごしやすい気候になってきた。秋になり、学校は文化祭ムード一色だ。だが、俺達バスケ部はもうW・Cに向けて動き始めている。


「え、じゃあ準備あんまり参加できないのかよ!」
「俺達は部活優先だからな。」
「俺と女の子との文化祭はどうなるんだ…!」
「ほら、部活いくぞー。」


確かに、うちの学校はバスケ部に力を入れている。頑張ってほしいのも分かる。でも、高校最後の文化祭だぞ!


「あ、笠松くーん!」
「ああ、委員長じゃん。」


笠松はいきなり現れたら女子と話し始めた。なんか…地味。でも、笠松が女子と普通に話すとか珍しいな。


「てか、この人うちのクラスの委員長じゃないだろ。」
「ああ、去年同じクラスだったんだよ。あだ名が委員長なんだ。」
「え、委員長てあだ名だったの(笑)」


ああ、地味だけど笑顔はかわいいかも。「今日、この子のために頑張る。」そう言おうとしたら、笠松が俺より少し早いタイミングで話し始めた。


「そういえば、何の用だよ。」
「さっき、武内先生には伝えたんだけどさ。今日から三日間バスケ部の体育館使えないから。整備やるんだよねー。あ、今日はとりあえず休みだって言ってたよ!」
「初耳なんだけど。」
「私だって今日聞いたんだよ。じゃ、他のメンバーに連絡よろしくね。笠松くんと…森山くん。」
「え、何で俺の名前…。初対面じゃないっけ?」
「かっこいいけど惚れやすくて軽い森山由孝くん、結構有名だよ。」


その言葉と共に見せられた笑顔はとても可愛くて、好きになる理由には充分すぎるものだった。


恋に落ちる音がした
(俺の目を、耳を、心を、)
(虜にしていくんだ。)



 



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