「というわけで、森山くんと付き合うことになりました。」
文化祭二日目、例のメイド服に着替えるために更衣室に行ったら、みんなに問い詰められた。だから報告したらきゃーとか、えーとか、悲鳴をあげられた。
「うっそ、まじで!?おめでとー!」
「じゃ、今日はその服でメロメロにしてあげな!」
頑張って、そう言って背中を押してくれた。…とりあえず、森山くんのところに行こうか。でも、恥ずかしいしなぁ。
「まぁ、まずは準備の手伝いかな。」
「いやいや、俺のところでしょ。」
後ろから声をかけられたから、振り返ろうとしたら抱き締められその行動を妨げられた。
「ちょ、森山くん?!」
「陽菜ちゃん可愛い。ほんとにそれで接客するの?妬けるなぁ。」
耳元でする声がこそばくて笑ったら、それにつられるように森山くんも笑いだした。
ああ、今、幸せだ。
そして、始まる恋物語
(これはゴールじゃなくて)
(幸せへのスタートなのだ。)
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