I・H出場が決まった。今年は、ここ数年では一番だと言われるほどいい選手が揃っている。だからって、気は抜けない。先輩の足をひっぱるわけにはいかないしな。


「そっかー、じゃあもう会場の方に行っちゃうのか。」
「俺達の初戦はちょうど、一週間後だ。……で、病院脱け出していいのか?」
「だって、部屋から練習する幸男くんが見えたんだもん!来ないわけには…!」


そう、俺は今バスケの練習をしている。外で、だ。病院の敷地内じゃない。


「送っていくから、帰るぞ。」
「えー、だってしばらくは会えないんでしょ?」
「だからって脱走はだめだ、ほら。」


俺が右手を差し出したら、美知さんはしょうがないなー、と言いながら俺の右手を握った。


「絶対勝つから。」
「でも、無理したらダメだからね。」


悲劇が始まる。
(少しでも長く)
(貴方といたいから)



 




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