気がつけば病院の前、か。
あれから二週間がたった。別に行く理由もないし、行く気もなかった。でも、いくらたってもあの子のことが忘れられなくて、どうしようか迷っているうちに、俺の素直な足たちは病院の方に向かっていたというわけだ。
「あーあ、やっぱ帰ろうかな。」
そのまま回れ右して帰ろうとしたら病院の上の方から叫び声がした。
「おい、そこの高校生!見舞いはなしかい!裏切り行為だよ!ずっと待ってたんだからね。早く来てよね!…ちょ、待、ごめんて!大声出したの謝るからさ!」
ああ、知らないふりでもしようか。こっちが恥ずかしくて仕方ないよ。でもまあ、会わない理由もないか。そう思い病院の入り口に方向転換したら彼女の嬉しそうな顔が見えた。
俺がそこに行く理由
(きっとそれは)
(君の笑顔が見たかったから)
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