先輩たちの夏を終わらせてしまった。先輩達や他のレギュラーメンバーはすでにWCへと気持ちは切り替わっているが俺はそういう訳にはいかない。だって、俺のせいで負けてしまったのだから。


I・Hが終わってこっちに帰ってきてもう二週間がたつ。帰ったらすぐバスケ部をやめるつもりだった。でも、監督はそれを許してはくれず、負けを引きずっているならしばらく部活にはくるなと言われてしまった。…美知さんのところにも行っていない。美知さんはもう試合結果は知っているだろうか。だったら尚更行きにくい。勝つと言ったのに、初戦でしかも俺のせいで負けてしまったのだ。かっこ悪い。今は会いたくない。美知さんから会いに来れないのが分かっていて行かないのだから俺はダメな男だ。きっと、美知さんなら「頑張ってね」とか「大丈夫だよ」って優しい言葉をかけてくれる。でも今はそんな優しい言葉に甘えたらだめなんだ。


そんなことを考えながら部屋でぼーっとしていると、ケータイに一通のメールが届いた。送り主は監督だ。部活の話だろうか。そう思って、何の疑いなしにフォルダを開けた。


【朝陽病院からお前宛に電話があった。今すぐ病院に来てほしいとのことだったんだが心当たりはあるか?】


足が勝手に動いた。


俺はバカだ。あの人に 残された時間は残りわずかだったのに、それをわかっていたつもりだったのに。自分の事情を優先して。


後悔は先には立たない
(神様お願いだから)
(もう少しだけ時間をください。)



 




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