「佐助…あっつい」
「俺様にそんなこと言われても困るんだけどなぁ」
「あの二人を、どうにかして」
「あれは無理でしょ」
「忍のやることはなんでもありじゃないの!?」
「俺様にもできることとできないことがあるの!」

そんな会話をしながら、目の前で繰り広げられている師弟の暑苦しいやりとりを見た。(見たくなくても視界に入ってくるから仕方ないと思う)
もうすでに夏になったというのにお館様と幸村は朝っぱらから訓練となにか口実をつけての殴り合いに明け暮れていて、
絶対甲斐の気温はこの二人のせいで他のところより2〜3度高いと思う。
この前訪れた奥州が恋しくてたまらない。
あそこはあそこでウザイ人はいるけど(伊達政宗とか伊達政宗とか伊達政宗とかね!)暑くはない。

「佐助ぇ、私奥州行きたい」
「駄ー目。このまえ行ったときもう少しで独眼龍の旦那に襲われるとこだったでしょーが」
「助けてくれてほんと有難う。でも、あそこはここより暑くない」

半眼になってそういうと、佐助がはぁ…とため息を吐いた

「しょーがねぇなぁ。かき氷でも買ってくるよ」
「よっしゃぁ!佐助ありがとー、感謝感激!」
「はいはい」

よっこらせ、と佐助が立ち上がったかと思うと一瞬で気配が消え去る。(さすが忍!!)
本気で買ってきてくれるんだありがとう佐助!!
その後は佐助が買ってきたかき氷を食べながら(佐助はちゃんとお館さまと幸村と自分の分も買ってきてた)お館さまとお話したりして楽しい時間をすごした。

そして次の日…。

「お館さまぁぁあ!」
「幸村ぁあ!」
「おやかたさむぅぁあああ!!」
「ゆきむるぁぁあ!!」
「ぅぉやかたさぶぅぁぁああああああ!!!」
「ゆきむるぅぁぁあああああああ!!!」
「佐助、暑い」
「あーもー!!昨日とおんなじ展開じゃん!!」



(It is like plowing the sands.)



「俺様の努力って一体!?」
「まぁ佐助はそーゆー役回りなんだよ」