※高校生パロ



雲一つない快晴の空だった。
いつもより近いその水色は光を帯びていて、きらきらと冷たいコンクリートを照らしていた。
やっぱり晴れの日、とくに今日みたいに真っ青な空が俺は好きだった。
頬にあたる冷たい風が気持ちいい、なんて考えてる時、授業の始まりの鐘が鳴った。それを無視して再び屋上の床へと寝転がる。
部活が始まるまでここでゆっくり一休み…と思ったが、そうもいかないみたいだ。

「見つけたぞサボリ魔」
「…思ったより早かったね、マーク」


フェンスにがしゃんと音を立てて寄りかかるマークに寝転んだままひらひらと手を振る。
見上げた先のマークの顔は怒ってる…っていうよりも「呆れてる」の方が合っていた。
ひょいと軽い身のこなしでフェンスを飛び越えると、マークは俺の前に仁王立ちになって

「戻るぞフィディオ」
「やだよ。だって俺、物理苦手だし」
「そう言ってこの前もサボったじゃないか」

マークの眉間のシワが濃くなる。あ、だめだよそんな顔したら。せっかくのきれいな顔なのに。

「お前な……」
「マークもいっしょにシエスタしようよ」

制服の袖から覗く、マークの白くて細い手首を掴んで引き寄せる。「うわっ!?」なんてらしくない声を上げながら、マークは体制を崩して俺の上に倒れ込んだ。

「あ、危ないだろ…!」
「あはは、マーク顔真っ赤だよ」
「うるさい!さっさと離せ!」
「駄目だよ、離さない」

暴れるマークを抱きしめて、宥めるように前髪をかきあげておでこにキスする。

「可愛い、マーク」
「ば、ばか…」

たったこれだけのことで直ぐに大人しくなったマークが可愛くて、何度も何度も顔中にキスの雨を降らせた。

少し冷たくなったマークの手
を握ったらぎゅっと握り返してくれて、誰もが見とれるような甘いマスクで微笑んで

「まったく…仕方ない奴だな、フィディオは」
「でも好きなんだろ?」
「ばーか」














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