俺の大好きなあの子は、甘くてとろけそうなキャラメル色の髪に、宝石みたいなエメラルドグリーンの瞳。

「マーク」
「…………」

もう本当に目が離せないほど可愛くて、キレイで

「ねぇ、マーク」
「…………」

そのくせ根は真面目で責任感が強くて、アメリカ代表のキャプテンなんかにも選ばれて

「ねぇ、マークってば」
「…………」

かと思ったらどこか抜けてて、意外と天然だったり

「マーク…マークってば」
「うるさいっ!」

今声を荒げて此方をキッと睨みつけたのは、そんな愛おしい俺の恋人だったり。
まったく、そんなに怒ることないじゃないか、せっかくの可愛い顔が台無しだよ(怒った顔も十分可愛いんだけどね)。

あの様子だと、ご機嫌ななめなのは俺のせいなのかな…多分。まぁ思い当たる節が無いわけじゃないけど。

「…そんなに嫌だった?」
「………」

…俺とキス、するの

そう呟くと、マークの顔がみるみる赤くなる。まるでとれたてのトマトみたいだ。すごく可愛い。
パクパクと口を金魚みたいに動かして、なんとか言葉にしようとするマーク。
でもその小さなピンク色の唇からこぼれるのは、「あー、」とか「うぅ…」の曖昧な単語ばかり。

(困らせたいわけじゃないんだけどなぁ…)

もごもごと言葉を詰まらせるマークに苦笑して、「ごめんね?」と頭を撫でた。

「マークが嫌ならもうしないから…嫌な想いさせちゃってごめ「違う!」

マークの両腕が、俺の背中に回る。
マークに抱きしめられてるのだと理解するまで時間はかからなかったけれど、突然の恋人からの大胆なアプローチに吃驚して固まった。

「マーク…?」
「……じゃな、い」
「え…?」
「全然嫌、じゃない…」


今にも消えそうなか細い声。でもこの距離なら十分、俺の耳にはしっかり届いていた。

「フィディオとなら…フィディオになら、何されてもいいって、思ってる…でも、ただ…人前だと照れちゃって、すごく恥ずかしくて…それで…」

あぁ、だめだよマーク、それ、すごい殺し文句

またここでキスしたら怒らせちゃうんだろうな、なんて考えてる余裕は、これっぽっちも無かった

それもこれも、可愛すぎる君のせい













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