図書館司書が幽霊退治のために肝試しをしている、と意味のわからないことをリンフォに言われた。意味はわからないけど、ヌイと一緒に肝試しできたら楽しいかなと思って、ヌイに一緒に言ってもいいか聞いたら、ヌイはいいよって言ってくれたから。
 俺は今、肝試しの真っ最中だ。

「人がたくさんいる……」
「皆肝試しの参加者みたいだね。図書館司書以外の人もいっぱいいる」
「皆、暇なんだな」
「シャヴィだって僕についてきたじゃない」
「それは……そうだけど」

 そっか。皆楽しそうだからとか、そういうのできてるのかな。ただの好奇心っぽい人もいそうだけど。リンフォは図書館司書のくせに、好奇心から参加するって言ってた。あの人、ちゃんと仕事してるのか、時々不安。



「特に変わったことはなさそうだね……」

 暫く歩いてみたけど、何があるというわけではなく。昼間となんら変わらない、夜の公園だ。司書以外の人は、もう帰ってしまっている人がほとんどだ。来たときと比べて、かなり人数が減っている。

「あれ? あそこにいるのって、ハルシエルさんかな?」
「ハルシエル?」
「うん。戦闘班の人だよ」
「ふーん」
「ハルシエルさん、こんばんは」

 一人でボーっと立っているハルシエルさんに近づいて、声をかける。だけどハルシエルさんは上の空みたいで、なかなかこっちには気づかない。

「ハルシエルさん?」
「…………」
「あの……?」

 肩を揺らすと、ビクッと体を振るわせたハルシエルさんが顔を上げ、ヌイの顔を見た瞬間ほっとため息をついた。

「ヌイさん……と、」
「発電所のシャヴィ。……どうか、した?」
「あの、私……」

 落ち着いていたと思っていたのに、ハルシエルさんの顔は見る見る蒼白になっていく。

「私、見ちゃったんです……!」

 ハルシエルさんの言葉に、俺とヌイは顔を見合わせて、首を傾げた。



(見ちゃったってもしかして、噂の……?)



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幽霊の正体気になりますね……。中途半端ですが、続きません←

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