教育プログラムを一新するため、今年度からテストとして『交流授業』なるものが導入されるらしい。 それも氷帝のあとべーのお家の全面バックアップで、らしい。やっぱお金持ちは違うんだね。 『交流授業』とは、簡単に言えばいろんな学校から選ばれた生徒たちがあとべーが建てた特別な学校に一定の期間通って、普段自分たちの学校で過ごしている様に授業やら部活やらしてまぁ校舎は違うけど普段通りに過ごしちゃいなよって感じの内容。 目的は文字通り生徒たちの交流、らしい。 今年は高校生でテストするらしく、私が通う立海大付属高等学校までもが選ばれてしまった。 ……まぁ私には関係ないの無い話だろうけども。 「解らないことはあるか、無いな。それでは一人ずつ封筒を配るので名前を呼ばれた人から取りに来なさい、安藤……」 正直な話解らないことだらけである、果たして交流授業とかして何の意味があるのだろうか、とにかく早く帰らせてくれじゃないと女テニの部長に捕まってしまうイコール部活に来いとか言われてしまう、いやいやいや今日は駄目だよ体育の卓球で思いっ切り汗かいて疲れたし、そうさ私のことは空振りのミチコと呼んでくれればいい。 「はよ終わらんかのう」 「そだねー」 「俺絶対お前さん選ばれとると思う」 「奇遇だね、私もにおが選ばれてる気しかしない」 隣の席のにお君(通称仁王雅治)は大きな欠伸を一つして先生に封筒を貰いに行っていった。 この封筒が私たちの運命を決める、ランダムに選ばれた交流授業に行かなくてはいけない生徒には青い通知表が入っているらしい、つまりアタリは青でハズレは白。 私の順番が来て封筒を貰いに行けばにお君がまだ封筒を開けずに待っていてくれた、いっせーのっで開けようってニヤニヤ笑われた。 『いっせーのっ』 ペリペリペリ白来い白来い白来い白来い…………青キタコレ!! 「……」 「この世の終わりみたいな顔してどないした」 「青とかイラナイヨ!」 「なんじゃ、ミチコも青紙か」 「え、におも?」 ペラペラと見せられたにおの紙の色は青色で、教室にはいろんな叫び声でざわざわ五月蝿かった。 *** 東京に行くとか物凄く面倒なんですけど。 意味の解らない通知表がアタシの所にやってきて早い流れで何故か新幹線に乗っている。 交流授業だか何だか知らないけど、残念な話仲のいい友達は皆選ばれなくてアタシは対して仲も良くない女子に紛れて一人完全にふて腐れていた、爆笑されたしふざけんな。 「おーい花子ーっ」 「……」 「何ふて腐れてんねん」 「……何か用?」 「そない恐い顔すんなや」 何の断りも無く隣に座る謙也に慰めて貰う程のことじゃないよってば。以外に気の利く謙也はアタシの大好きなミルクティーをホイッて渡してにこにこ笑う。 長く付き合ってる友達じゃなければ確実に落ちるのになぁ残念な話アタシは落ちたくても謙也になんて落ちれません。はい残念。 「なんや嫌なことでもあったんか?」 「何もないよ、……ほら、アタシの友達皆選ばれなかったんだ」 「あー…それは辛いな」 ズズッとミルクティーを一口、謙也の言葉を待てば何ともケロッとした風に「俺がおるやん」って返って来て吐きそうになった。 「友達やったら俺おるやん」 「え、あ、」 「それに白石とかテニス部の皆おるから一人ちゃうって!」 「あぁ、うん、そうだね」 「せやから元気出しいや」 「…有り難う」 謙也は私の言いたい事の意味をあまり解ってくれていない様だけど、謙也らしい暖かい言葉を貰えたら何だかいける気しかしなくなってきた、よし、絶対友達作ってやる。 それにしても東京はまだ着かないのか。 *** 何であとべーは学校を神奈川に建ててくれなかったんだろう、東京とか!通学が面倒なんだけど!私も学生寮入ろうかなぁお金全部あとべーが出してくれるのに通学してるとか私何してんだろばっかでーい! 立海は一、二年生から十人ずつ、三年生から二十人の計四十人が選ばれたらしい、男テニレギュラー陣が皆選ばれてるとかもうあとべーの陰謀としか考えられないプププ 立海だけで四十人だったら、青学とか氷帝とかみーんな合わせたら……すっごい数になるんじゃないのかなひゃあ考えたら凄い てか学校すっごいおっきいんだけど何ここ城!?はぁぁぁ凄いってボーッと歩いてたら誰かにぶつかった!痛っ!何か硬いものが!痛っ!さーせん! 「ごごごごめんなさい」 「こちらこそ、急に止まってごめんね」 「あ、うちの制服」 額をサスサスしながらよく見れば、立海の制服を着ている男の子にぶつかってしまった、あちゃーうっかりミチコさん 「本当だ。君も立海の生徒なんだね」 「はい、えっと、幸、村君、だよね」 「俺のこと知ってるんだ、嬉しいな」 よくよくよくよく見れば青く綺麗な髪の毛が印象的で立海の生徒なら知らない人はいないであろうその人は幸村君ではありませんか あぁやっぱかっこいい。におとなんか比べられないくらいかっこいい。そんな幸村君とお話出来る何てぶつかった私グッジョブ 「にお、仁王がテニス部の人のこと教えてくれてるから……」 「なるほどね。でも俺も君のこは知ってるよ」 「えっ」 「仁王と同じクラスの清水ミチコさん、でしょ」 まさか幸村君が私の名前を知っているなんて!うわぁー何でなんで嬉しくて吐きそうなんですけど 「何故名前を」 「清水さん有名人だもん、とても変わってる人だってね」 「え」 「仁王以上の変わり者だなんて言われてるからどんな人かと思ったけど、普通の可愛い女の子で驚いた」 「私変わり者じゃないですよ!」 そんな噂が流れてるなんて私知らないんですけど、誰だよそんな噂流した奴キリキリキリ……幸村君すっごい笑ってるし恥ずかしいったりゃしない 「可愛いは否定しないんだ」 「か、可愛くもないです!」 「そっかそっか、それは本当のこと言ってごめんね」 幸村君のこと全然知らなかったけど、こんな風に笑う人だったんだ、凄い恥ずかしいけども 「あ、同級生なんだから敬語じゃなくて良いし、俺のことは精市って呼んでよ」 「じゃあ私のこともミチコって呼んでよ、精市君」 「うんミチコね、了解」 私にとっては充分幸村、いや、精市君の方が不思議な人だなって思うんだけどな。 「今度ぶつかっちゃったお詫びをさせてくれないかな」 「え、ぶつかったの私の方からだよ?」 「額、赤くなってるよ」 「嘘!?」 「本当。だからそのお詫び、ごめんね」 「気にしなくていいよ」 困った顔して笑ってる精市君にきゅんとしちゃった、どうしたんだろう私。 精市君はまだ何か言いたげだったけど誰かが精市君のことを呼んでるみたい、あぁ会話終了ですか残念です。 「ごめん、真田たちが呼んでるみたいだから俺先に行くね」 「気にしないで」 「ミチコのこと探しに行くから、それまで待ってくれないかな」 「うん、待ってるよ」 「有り難う」 にっこり笑って走って行く精市君、ひゃあかっこいいなぁ…じゃなかった。早く私も行かないと遅刻しちゃう、嬉しすぎてトリップしてたわ、現実に戻っていざ学校と言う名の城へ。 「へぶしっ!」 「ごめんなさーい!」 と思ったら後ろから何かが飛んで来た。何だこれローファーだ、私の後頭部にローファーが直撃した。 「…山田?」 ローファーには山田と言う名前が書いてあって、遠くから女の子が片足立ちなのに物凄い勢いスピードでこちらに向かってきた。 正直シュールすぎて恐い。 「すみません、ちょっと、嫌いな人に投げたら全然違う方向に行っちゃって」 ローファーを返してあげたら頭をペコペコ下げられていやもう気にしないでください、私の頭思ってた以上に頑丈だったわ。 女の子は四天宝寺の制服を着ている、ってことは四天の生徒さんだ! でも、大阪弁じゃないのが残念である。 *** あぁぁぁ焦った。何で侑士があんな所に居たんだろう、反射的にローファーを思いっ切り投げてしまった、ら、立海の生徒さんに思いっ切り当ててしまった、自分のノーコンさを呪うわ。 「本当にすみません、あの、お怪我とか…」 「頭痛いだけですから、大丈夫ですよ」 「痛いだけって大丈夫じゃないですよ!」 「それにしても山田さんって片足立ち凄いですね!」 「え、えぇ、まぁ」 ローファーを当てたことに怒る所かこの人アタシ片足立ちに凄い興味津々でビックリした。え、そこ?的な感じに。 「私、立海の三年生で清水ミチコって言います」 「アタシは…四天宝寺、三年の山田花子です」 「タメなんですね!えへへ、あ、私片足立ち出来ないんですよ、ほら…」 「あっ!」 片足立ちをする前にふらついて、そのまま前にベッタリ倒れてしまった。きっと後頭部に当ててしまったローファーが悪いに違いないそうに違いない。 「痛…今日厄日だ……」 そう言って立ち上がった不思議な立海の生徒清水さんは盛大なくしゃみを一つ。次の瞬間大量の鼻血を出していた。 なんだかこの人と仲良くなれる気がする、アタシはそんな確信を持ってとりあえず出会い系なチラシ付きポケットティッシュを清水さんに差し出した。 青 い 通 知 表 の 恐 怖 (清水さんは) (はい) (変わり者だって) (言われてません!) (言われてるんですね) ------------------- 白石出て来てねぇや… >>Yuiさん 丸投げな感じのバトンパスしてすみませっ!とりあえず白石を出してあげて下さい ふつつか者ですがこれからよろしくお願い致します土下座 (おしお) |