休憩中のこと


「皆さん皆さん!山田、罰ゲーム付きのトランプ大会やりたいです!」
「山田。折角の休憩中に何を言って」
「はいはい!私もやりたい!」
「ですよね先輩!」
「小鳥遊…。でも、いくら客が少ない時間帯でも店に相馬と八千代だけは駄目だろ」
「お客さんが来るまでです!山田、今日バイトがないので退屈なのです!やりましょう佐藤さん!」
「今さりげなく本音が入らなかったか」
「やろうやろう!佐藤さん!」
「じゃあ種島限定罰ゲームは一日中俺に遊ばれるということだな」
「えー!そんなのいつもと変わらないよ!」
「小さいと言われても反論してはならない」
「私ちっちゃくないよ!」
「そうです。先輩は小さくて可愛いんです!」
「かたなしくん、それフォローになってない…」
「なんだ、罰ゲームか」
「あ、店長」
「なら私が書いてやってもいいぞ」
「普通そこは店長としてやめさせるべきところなのでは」
「暇だから」
「店長が言うな」
「よし、ここに二つ書いておいた。こっちが女用、こっちが男用な」
「なんで分けるんですか」
「面白そうだから」
「あんた本当に店長か」
「じゃあトランプ配るよー!」

「というわけで一つ聞きたい」
「はい、佐藤さん」
「何故ばばぬきにしなかった」
「佐藤さんが余裕で一抜けしそうだったからに決まってます。山田、佐藤さんの戦略を見破る自信がありません!」
「佐藤さんが負けたんだね!七並べ苦手なの?」
「手札が最悪だった」
「それはまた災難な」
「じゃあはい佐藤さん!店長が書いた罰ゲーム、男性用だよ!」
「因みに女性用は先に見ていいですか?先輩」
「うーん。いいんじゃないかなぁ」
「どれどれ…はああああ!?」
「なな何これ杏子さん!」
「罰ゲームだ」
「じゃなくて、なんで女性用の罰ゲームが『小鳥遊に告白する』なんですか!」
「面白いかと思って」
「色恋沙汰は禁止なんじゃないんですか!」
「面白いかと思って」
「じゃ、じゃあ佐藤さんの罰ゲームは…!」
「…」
「どうしたんですか、佐藤さん。山田にも罰ゲーム見せて下さい!」
「…」
「山田?どれどれ、えっと……。相馬に告白…え」
「帰る」
「え、ちょっと駄目だよ佐藤さん!佐藤さんてば!」
「一体これはどういうことなんですか、店長!」
「面白いかと思って」
「もう駄目だこの人」
「帰る」
「佐藤さん!帰っちゃだめだよ!」
「そうです佐藤さん。佐藤さんが帰ってしまったら、山田がバイトに出なくちゃならないじゃないですか!」
「…で、どうしろと」
「珍しく佐藤さんが弱っている」
「告白しろ佐藤」
「大丈夫ですよ、佐藤さん。所詮罰ゲームですし、それに男から告白されて真に受ける相馬さんじゃないですよ。暫く脅しのネタには使われるでしょうが」
「…やっぱり帰る」
「佐藤さーん!」
「なんだったら電話とかでもいいんじゃないですか!それで仕事の時に罰ゲームでしたってバラせばいいんですよ!」
「…はあ」
「佐藤さん…?」

罰ゲーム?男なら真に受けない?馬鹿か、言えるわけがない。俺はあいつに、とっくに告白されてんだから。
はあ、まじでどうしよう。

(100526)

だってさ、君がそう言ったんだよに続く。

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