それから3日くらい津軽の家にいた。

津軽は怒る所か、俺が「今日もいていい?」って聞くと、笑顔で構わないって言ってくれた。
それが嬉しくて、ずっと甘えてた。だけど、そろそろ帰らなきゃ…流石にあの家が心配。
パソコンなんかはどうでもいいけど、我が家なのに違う人が住んでいたら嫌だから。


「サイケ、今日はどするんだ?」
「今日は帰るね!ありがとう、津軽」
「ああ…構わない」

帰る事を告げると、津軽は寂しそうな顔をした。
…そんな顔しないでよ、帰れなくなっちゃう。

「また明日…朝一で来るから!」
「そうか。待ってる」

思った事を伝えたら、津軽は少し微笑んで俺にキスをくれた。嬉しくて、心臓がばくばく煩い。

「じゃあ、また明日!」










一人ぼっちの帰り道はとても寂しかった。隣に津軽がいるのが、ここのところ普通だったし、当然なんだけど。

早く、明日にならないかな!早く津軽に会いたい!


なんて考えながら、家に着いた。ガチャリと、ドアを開ける。と、すぐに見えた黒い服。



遠くで警報が聞こえる。


はやくにげろ





気付いたら、走っていた。逃げなきゃ。とにかく、あの黒い服の男達が来る前に、どこか、遠い所に、逃げなきゃ。

あいつらが何者だとかは関係ない。ただ、身を包むのは、逃げなきゃいけないという使命感と焦躁。そして、一抹の不安だ。


後ろから名前を呼ばれる。



―――サイケデリック  と


それで全て繋がった。

あの夢の事も、黒い服の男達がどうして俺の名前を知っているのかも、何であの部屋にはパソコンが一台しかないのかも。

俺が記憶が無い理由も、全部―――






「捕まえた」







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