俺がシズちゃんを好きになってもうどれくらいになるんだろう。
ああ、そっか。
俺…もう、高校の時から―――大好きだったんだ
「い〜ざ〜やぁぁあああ!」
「ねえシズちゃん、そろそろ自販機投げるのやめたらどう?学校側も迷惑してるって」
「あぁ?手前が当たって死んでくれりゃあ俺だって自販機投げねぇさ」
「っ、」
もう、戻れないって分かってた。
シズちゃんが俺を嫌いなのは、もう…取り返しのつかない事だって。
シズちゃんの中で俺は、殺す相手、でしかなくて。顔見知りでも友達でも、ましてや親友なんかじゃなくて…どうでもいい、どうなったって構いやしない存在なんだ。
それから、何度かいっそ告白してこの関係ごと壊してやろうかと思ったけど…俺には無理だった。
告白する事も、今の関係さえ壊す事も俺には出来なかった。
「ドタチン〜もうやだ…」
「仕事でまた何かあったのか?」
「…」
ドタチンには何から何まで話してる。俺の個人情報については、ドタチンが一番知ってる。
黙って首を横に振ると、ドタチンは、声を殺して「静雄か」と聞いてきた。
「ん…」
「なあ、臨也。もういっそ告白してみろよ…静雄だって、」
「何言ってんのドタチン!シズちゃんに告白したって、報われない所か絶対死ぬより辛い事言われるよ…」
「でもなあ…」
「じゃあさ、臨也!」
あ…新羅いたんだ。…ってここそういえば新羅の家だ。
「1週間、静雄に猛アピールしたらどうかな!」
「アピール…?女が男にするあれ?」
「そう!告白よりはいいんじゃない?ね、京平」
「まあそうだな。それに、1週間だけだし…やってみろよ臨也」
こうして、この1週間、シズちゃんに猛アピールする事になった。
無理に決まってる。シズちゃんに幾らアピールした所で気付かれないわ、傷付くわで最悪パターンだ。
でも折角、ドタチンも新羅も応援してくれてるんだし試しにやる事にした。
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