「おい、臨也」


今、俺はシズちゃんの家にいる。何で?
そんなの、最近シズちゃんと休みが合わなくて寂しかったからだよ。

池袋に行けばシズちゃんに会えるけど…やっぱり、俺にもシズちゃんにも、世間体というのはあるわけで。恋人という仲なのにも関わらず、喧嘩しなきゃいけない。


だから、イチャイチャできるのはシズちゃんの家か俺の家だけ。

今、一番幸せ。シズちゃんにべたべたしてても何も言われないから。
…まあちょっとシズちゃんが気に食わない顔をしてるけど。


「暑い、退け」
「やだー」
「臨也、手前…」
「…だって、もう1ヶ月も、我慢したのに…なのに離れろなんて、」


わ、やばい。泣きそう。
もう本当にやだ。
俺、シズちゃんと一緒にいると、涙脆くなるみたい。信じらんないよね。それ、俺が一番そう思ってる。


「…臨也、悪ィ」


俺が離れて、シズちゃんのベッドに体育座りする。勿論、シズちゃんに背を向けて。

するとシズちゃんは謝ってきた。
…謝って欲しくない。俺の、我が儘だったし…ね。

「臨也、こっち向けよ」

後ろにシズちゃんの気配

「やだ…」

だって泣いてるのバレちゃう

「臨也…向いてくれよ」

そんな切迫詰まった声で呼ばないでよ

「うるさい…」

「…」


声が止んだ。

途端、何かに包まれた。
シズちゃんの、腕だ。今、俺はシズちゃんの胸の中に、いるの?


「泣くなよ。好きだから」
「っ…耳元でそんな事、」
「愛してるよ、臨也」
「ぁ……っ、」


言うなって言う前に、シズちゃんにイイ声でそう言われた。
へ、変な声出ちゃったじゃん!


「ばか…」
「本当は、嬉しかった。」
「…シズちゃん」
「暑かったけど」
「最低」
「まぁ、手前の体温だと思ったら、嫌じゃなくて…くっつくだけじゃ済みそうになかっただけなんだけどな」
「な!ばっ…、シズちゃ…のばか!変態!でも…好き…」


涙は、いつの間にか止まってて。シズちゃんはそれについて触れず、ただ涙を拭くだけだった。
やだな…かっこよすぎるもん…


「ああ、俺も」


シズちゃんは俺の髪をあげて、おでこに、ちゅ、とキスをくれた。





狂おしい程に
 (君を愛してるの)







end.
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