※ヒロインが関西出身
「ちょっと聞いてよ!」
そう少し叫び気味で高尾がウチの所へ来た。またか。高尾は知らんと思うけどな、高尾がしょっちゅう来るから付き合っとるんか聞かれること多いねんて。
また緑間の話やろ。いつもジャンケン負ける言うて来るやん。なんぼど弱いねん自分。ウチとジャンケンしたかって勝ったこと一回も無かったっけ。
「見てて可哀想やわ」
「真ちゃんが強いんだって。もうジャンケンする前から勝てる気しねぇし」
「それがあかんねん」
そう言うたらウチの言うたことの意味わからんかったんか首傾げよった。
まぁ簡単に言うたら、勝つ思とったら勝つんちゃうかっちゅう話やねんけど。
「あ、ウチとジャンケンして自分が勝ったら一つ言うこと聞いたるわ」
「なんでも?」
「出来る範囲やったら。勝つ思たらちょっとはイケる気するやろ」
高尾がジャンケンする前に、なんか両手前に出して捻って「見えた!」とか言うてんねんけど。ガキか。そんなんで見えるわけない…
「見えた!」
アレってなんも見えへんけど、ついついやってまうよな。ごめん高尾。さっきは馬鹿にして。
「ありえへん、自分ズルしたやろ」
「してねーし!」
負けた。あの高尾に負けた。嘘やろ、むっちゃ自信あってんけど。ありすぎてんけど。
「で、なんでもいいんだよな?」
「なにが」
「惚けんなっつーの!」
「あー、はよ言うてみ」
どうせなんか奢れやろな。高いもん言いよったらシバいたんねん。
「今日一緒に帰ろうぜ」
「…あのいつも緑間乗ってるやつ乗せてくれるん」
「徒歩なんだけど 言いたいことあっから」
「わかった」
いつもとちゃう真剣な高尾に惚れてしもたとか一生言うたらへん。
241107▽方言女子様提出