私は、ばかです。

 
私は、ばかです。
ばかな上にどじで、おっちょこちょいです。


何もないところで何回もつまづいて、花田くんに笑われました。

花田くんは優しいです。
優しくて、いつもにこにこしてる人です。
私は花田くんといると、楽しいです。
楽しくて、嬉しくて、私までにこにこ笑顔になります。


坂江さんは、花田くんを好きなんだ、と言いました。
私はそうなんだ、と言いました。
そうなんだよ、と坂江さんは言いました。


坂江さんはしっかり者です。
私とは逆で、てきぱきしていて、はきはきした人です。



花田くんと坂江さんは、よく仕事の話をします。
仕事の話は難しくて、ばかな私にはわかりません。


それでいいよ、と花田くんは言います。
牧本さんはそのままでいいんだよ、と言います。


だから私は……たぶん、ずっとばかなままです。





坂江さんと花田くんは、恋人になったんだって、と店長は言いました。


店長がおめでとう、と言ったから、私もおめでとう、と言いました。

坂江さんはありがとう、って言いました。
花田くんもありがとう、ってにこにこしていました。


私も一緒ににこにこしていました。
ずっとずっと、にこにこしていました。


……やっぱり私は、ばかです。






あとがき→







(1/2)



all text
by w-xxx.




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -