次の日も私は少年と遊んだ。

くる日もくる日も、錆びたブランコのあるあの公園で
追いかけっこをしたりボール遊びをしたりした。


そんなある日、少年が
私に「見せたいものがある」と言った。

「なあに?」と聞いても
「来てからのお楽しみ」と教えてくれないので、

私は少年に手をひかれるまま後を着いて行った。


「どこに行くの?」

4丁目の方向へ向かっているのに気付き、私がそう尋ねると
少年は柔らかい髪を揺らして振り向いて

「秘密の場所だよ」

と楽しそうに笑った。少年は、どこまでも無邪気だった。



私が少年とやって来たのは例の神社だった。

建物自体は小さく、境内にはその周りをぐるりと取り囲む庭には小さい林があり、

子どもがこっそり出入りするにはもってこいの場所だと思った。


古びた鳥居を駆け足でくぐり、先々行ってしまう少年を追いかけると、少年はある場所で足を止めた。

「こっち」と手招きされた所まで行って目を凝らすと、

神社の林の隅っこに住み着いた野良猫の親子がじゃれあっていた。

「可愛いね」

「うん」

少年は子猫を見つめて嬉しそうに目を細めていた。



近所でよく野良猫を見かけていたので、試しに後を付けてみたらここを見つけたのだと少年は言った。

石段に腰掛けて休みながら、私は少年の話に相づちを打った。


沢山の木が生えているからか、境内の中は気持ち涼しく感じる。

滅多に人の来ない神社はとても静かで、時折赤く染まった葉を風が揺らす音がした。


「神さまっていると思う?」

ふと、少年がそう言った。

「どうだろう…いるんじゃないかな?」

私がそう返すと、少年は

「本当にいると思う?」

とこちらを真っ直ぐに見つめてくる。

「どうして?」

私が聞き返すと、少年は口ごもって視線を戻した。

少年の肌は相変わらず白い。
シャツもまだ、半袖のままだ。

私は少年から目を離した。
寂れた鳥居が目に入る。足元には銀杏の葉が散らばっていた。


「……もしかしたら、」

と私は言った。








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by w-xxx.




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