「おい折原」
「…なんで喧嘩腰?」
「別に敬語なんて使う必要ないじゃん?」
「むかつくなあ」
「それより今日31日だよ」
「大晦日だね」
「明日から新しい年だっていうのにこの家は何一つ変わらないの?」
「変える必要ないと思うけど。そもそも新しい年になるからって物理的には何も変わらないじゃない。木は昨日までと同じ位置に立っているし人間だって…」
「うるさい」
「君が聞いたんじゃないか」
「そこまで語れとは言ってない」
「それで?何が言いたいの?」
「ただ普通に模様替えしようかと」
「たとえば?」
「いらないものを処分するとか」
「いらないものねぇ…」
「あるでしょ?こんなに物で溢れてるんだし」
「いらないものはほとんど波江に処分させたからなぁ」
「まだあるじゃない」
「え?」
「私の目の前に」
「黙れ」
(折原はゴミ)