(10/9/14なんかの記事でカラオケに一緒に行きたいキャラランキングを見た)
「というわけで、歌おうか臨也くん」
「いや、意味わかんないし。ちゃんと説明してくれない?」
「一曲歌い終わったらね」
一緒にカラオケに行きたいアニメキャラの第二位に見事輝いた折原臨也をカラオケに誘ってみた。
いつも通り構ってほしそうに池袋をブラブラしていたので近くにあったカラオケ屋までひっぱり込む。状況を説明していないからなのか、挙動不審にジュースを飲み続けている折原。もうなにも入ってないのにすすり続けている折原を見ると、なんだか可哀想になってきた。
「折原の十八番いれてあげるね」
「え、俺が一番に歌うの?」
「そうだよ当たり前じゃん。お祝いだもん」
「なんのお祝い?」
「いいから歌いなさい」
マイクを渡すと急に表情が変わる。どうやら歌う気は満々らしい。盛り上げるためにタンバリンを鳴らしてやろう、そうしよう。
「でもそんなんじゃだーめ」
バンバン
「でもそんなんじゃホーラ」
バンバン
「うざさは進化するよもっともっと!」
ほんとに進化してきた。
歌に合わせて表情を作りつつの腰の動き。ずっと一人カラオケだったから私の存在が嬉しいのかもしれない、可哀想に。
「私のこと見ててねずっとずっと!」
「ヒューヒュー!折原さいこー!」
「ふっありがとう!まあ歌なんて俺にかかれば朝飯前っていうか?そもそも歌っていうのはまず息の吸い方から重要で…」
また始まった。俺はなんでも知ってるぜ発言。お祝いなので席を外すわけにもいかず、とりあえず携帯をいじりながら右から左へ流すことにした。
「と、いうわけなんだよ。つまり俺は歌が上手い」
喋り終えて満足したのか、ジュースを取ってくると言って部屋を出ていった。
十八番を歌わせた折原には、もうぶっちゃけ用はないのでそろそろ退席させてもらおうか。荷物を持ってドアを開けると折原が目の前にいた。
「あれ、ドアを開けてくれたの?両手が塞がってたから助かるよ。けどなんで分かったのって…ああ。俺と君は心が繋がっているということを無意識的にかつ意識的に俺に伝えようとしたのかな?ハハ、君ってツンデレだよねえ!もちろん知ってたけど。さて、そろそろ俺と君の愛の巣に「い〜ざ〜や〜く〜ん」
…は?」
「なーにしてるのかなあー?こいつとカラオケで2人っきりなんて…」
「え、なんでシズちゃんがここに…――ってそれよりもちょっと待ってよシズちゃん!」
「二度と池袋に現れるなって言ったよなぁ!」
シズちゃんが他の部屋のドアを壊して折原に投げようとしたので慌てて2人の間に入った。
「ストップ!ここはカラオケ対決といこうじゃないか!」
2人は頭にハテナマークを浮かべていたので簡単に説明してあげると、2人の目に闘志が宿った。
「やってやろうじゃねえの…なあ?いざやくんよぉ?」
「俺がシズちゃんごときに負けるわけないじゃない?」
選曲は私がすることになったのでシズちゃんは古泉○樹の歌を、折原にはティエ○アの歌をそれぞれ入れておいた。
一室のカラオケ部屋で因縁の対決が始まろうとしている。
私は2人が夢中になっている間に部屋を出て、カラオケ屋を後にした。もうそろそろ相手をするのにも疲れてしまったので家に帰ることにする。
とりあえず第二位おめでとう!
(今更ながらおめでとう)