ただ普通に怖かった。
でも大丈夫だと思えた。 その確信は一体どこからくるものなのか分からなかったけど、なんとなく前へ進める気がした。
この世界に来てからもう1ヶ月が経った。入学式も無事に終わり、こちらの友達とも大分打ち解けて地理も分かってきた今日この頃。最初は不安で仕方なかったけど、来てしまった以上どうすることも出来ないので、今は普通に暮らしている。
それなりに楽しい毎日、勉強だって一度習った問題が多いからそこそこは出来ている。
そう、なにも問題はない。 今のところは。
「来ちゃったか…」
今現在、沢田くんが体育館で持田先輩と戦っている。もちろん私は関わらないために、一人帰る支度をしていた。結果はもちろん知っているし、会場の近くにはあのリボーンがいることだろうから極力接触も控えたい。
「なんだ、苗字は体育館に行かないのか?」
「はい。見たかったんですけど、用事があるので」
「そうか、じゃあ気を付けて帰れよ」
「はい。さよなら」
当たり前のことだけど、こっちの世界には私の家族はいないから、自分で家事をこなさなくてはならない。けれどなぜかお金は毎月振り込まれていて、それも中々の額。私はそのお金を使って生活しているのだ。
下駄箱について、靴を履いて学校を出た。体育館からは、たくさんの生徒の声が聞こえる。
(今日も無事、)
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