かくして私は晴れてボンゴレファミリーの一員になったわけだけど、今思えばいきなり名前呼びなんて、なんて大胆なことをしてしまったんだろう。

家に帰って無事次の日の朝を迎えた私は、後悔と羞恥の念に悩まされていた。あの獄寺くんを隼人くん呼びなんて私はなんて図々しいんだろう。そういえば忘れてたけど獄寺くんも山本くんもモテるんだよね。どんどん重くなっていく気持ちに、ベッドから出る気力もだんだんと失せてきた。



「今日休んじゃおうかな…」



ファミリーになった次の日から学校を休む私ってなんなんだろう。はあ、とため息をついて悩んでいるところにある物が目に入った。



「あれ、私リボン二つ持ってたっけ?」



そこで気が付く。やばい、これ、私のじゃない。冷や汗が背中を伝う。ファミリーになれたことに浮かれて雲雀さんにリボンを返し忘れてしまった。私は急いでベッドから出ると学校への支度を始めた。なるべく早く行って謝ろう、それしかない。








8時ジャスト、元々早く起きていたのでいつもよりも早い時間に着くことが出来た。
雲雀さんは生徒たちが登校する前には必ず学校にいるから、探せば直ぐ見つかるはずだ。とりあえず手っ取り早く応接室に向かった。



「失礼しまーす…」



朝の学校は静かで誰もいない。爽やかな風を感じながらゆっくり応接室へ続くドアを横に引いた。



「あれ?」



中からゴソゴソと人がいる気配がしたので雲雀さんだろうと覗いて見たがそこに居たのは副委員長の草壁さんだった。私の声に気付いたのか草壁さんは振り向いて驚いたように目を見開いた。



「お前は…」

「あ、苗字名前です。昨日雲雀さんにお借りしたリボンを返しに来たんですけど…」

「委員長に用か」

「はい。ここにいますか?」

「いや、委員長は恐らく屋上だろう」



そうですかありがとうございますと言って出て行こうとしたら、「それにしても」と草壁さんが言葉を続けたので立ち止まって再び向き直る。



「よくここが分かったな。まだ公には発表していないはずだが」



どきりと心臓が鷲掴みされたような気がした。それでも表情には出さず、「たまたまですよ」と笑って今度こそ応接室を去った。草壁さんに動揺が伝わってしまっただろうか、鋭い彼のことだから疑問には思ったかもしれない。心を落ち着かせるためにふぅと息を着いて屋上に足を進めた。







(洞察力)









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