「あーイライラする」
「俺の家に着て早々なに君」
放課後、夏の暑さに嫌気がさして無料でご飯も食べれてくつろげる涼しい場所と言えば折原の家しか思い付かなかったので、わざわざ名前様直々に足を運んでやった。
最近なんか全然うまくいかない。今日だって朝起きたら携帯の充電切れててアラーム鳴らなかったし。遅刻しながらも頑張って学校行ったら先生の機嫌悪くてバケツ持って廊下に立たされるし。いつの時代だよみたいな、でもちょっと楽しかったよみたいな。
「同情する他ないね」
「うるせーな、お前のがぼっちで可哀想だよ」
「……」
わたしの言葉に俯いてしまった折原に、心の中が少しスッキリしたような気分になる。
ちなみにわたしのついてない話はまだ終わっていない。
全て挙げるなら、携帯の代わりにリモコン持ってきちゃうし、昼休みに鏡見るまで口周りに歯磨きの跡付いてるの気が付かなかったし、よく見たら靴下裏返しで履いてたし、ほっぺ痒くて人差し指でかこうとしたら鼻の穴に入っちゃうし、しかもそれ帝人に見られたし、目逸らされたし、その後気まずかったし。ちゃんと誤解解いたけど(帝人純粋だから)。
「ていうかさ、仮にも男の部屋来たんだよ。警戒心なさすぎじゃない?」
「折原だからリラックス出来るんだよ」
「名前…」
折原が嬉しそうに頬を染めてジリジリ近寄ってきたので、腹を蹴ってやった。痛そうに蹲って背中を丸めている。可哀想に。
「てか何しに来たの」
「ご飯食べに」
「飲食店じゃないんですけど」
「いいじゃん、ずっと引きこもるのは疲れたでしょ?気分転換も大事だと思う」
「なにこいつ」
とかなんとか言いながらもエプロンを取り出して作る気満々な折原に心の中で嘲笑う。
つまり何がしたいって、聞くことじゃないだろdear...
淡雪まりえ様