最終章1-2『鞭です』




  ▼ 勇者は 鞭を差し出した!


……え、何、勇者なのにそういう趣味なの?悪いけど俺、言葉でいじくり回すのは大好きだけど、物理攻撃って興味ないんだよね。いや、痛がってるの見るのは嫌いじゃないけどさ、悦ばれても全く嬉しくないしやりがいも感じないし気持ち悪いしむしろ引くよね。




…え、そうなのカッ?痛めつける事とか大好きそうに見えるのにそれは意外なんだナ。…アッ、今のは深い意味とかはないんだゾ!!ちょっとあの、口が滑ったんだナ!!!


俺のイメージどうなってんの。確かに弄り倒すの好きだけど、俺が手出してるとこみたことある?まあ、稀に勝さんとか勝さんとか、あとオオバカさんとか思わず殴ったりするけど。それくらいだよ?


――…言われて見ればそうなんだナ。神前クンから聞く被害報告のほとんどは言葉の刃なんだナ。実際に殴られたとか蹴られた…、…アレ、ちょっと聞いたことある?ケド、痛い事されたって聞かないナ!これはとんだ誤解だったナ勇者!


でしょ?なのに勇者様ったら鞭なんて持ってきちゃって…。実は勇者様、ヒーローよりヒールの方が向いてるんじゃない?ねぇ、その鞭どうするつもりだったの?俺が受け取ったら俺と一緒に千尋をビシバシやりたかった?生憎千尋は貸してあげられないけど…、――…そこに良いのがいるじゃない。


  ▼ 勇者と魔王は ジャックを見る!





……えっ?ちょ、あの、勇者?なんか目がッ、目がヤバそうに見えるんだナ!?ま、待つんだナ!!ボクはそういう趣味とか持ってないんだゾ!!っていうか、ここに来てなんでボクに白羽の矢が立ったんだナ!!!!?




俺知ってるよ、君の正体。君絶対、そっち側の人間だと思うんだよねぇ…。ね?



  ▼ 勇者は ジャックに にじり寄った!






や、やめてっ…!ゆ、勇者!!!
アッー!!!









その後ジャックの姿を見たものはなく
勇者は悪の道へと進んで行ったのだった――…





外 道 エ ン ド




GAME OVER…

→ は じ め か ら / → お わ り


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -