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04.神前千尋にお願い!V






第2位「1人で30人ボコボコ事件」

兄貴:あー…あったなぁ、ニャン。
財前:千尋がブチギレて、その手の人達にその名を知らしめた事件ニャ。
犬飼:えええ、千尋さんキレたりするんですかニャ!?
大庭:あん時の神前はマジで怖かったニャン。
神前:………あんまり思い出したくないんだが、…ニャン。
財前:アレは確か高校1年の冬だったかニャ?なんかモメ事があったんだよニャン。
大庭:ああ、俺等とめっちゃ対立してた奴等が俺等のシマで暴れやがったんだニャ。タイマン張る度胸もない癖に、こっちが1人になったとこ集団リンチにしやがったニャ。
兄貴:あれは学校でも随分問題になったニャー。下手したら死ぬところだったヤツもいたわけだしニャ。…あれ、大庭も被害に遭ったんじゃなかったかニャ?
大庭:あーもう、言うなよなっさけねぇ話ニャ。…流石の俺様も丸腰に20人じゃどうにもしきれなかったニャン。
財前:でも千尋、1人で30人居たそのチーム、ボコボコにして警察に突き出したニャ。
犬飼:つええええええニャ!!!!
神前:……つい、カッとなってやった、…ニャ。
兄貴:何殺人自供した犯人みたいなこと言ってんだニャ。
財前:ねー千尋、なんでカッとなっちゃったニャ?
神前:……!
大庭:そういやなんでだ?仲間ボコられたからかニャ?
神前:…そ、そうだよ!つか、誰だか知らないが逆恨みして無秩序に人一人を大人数で殴り倒すとかそういうのが卑怯なやり口が気に食わなくて――
財前:でもさ、千尋が乗り込んだの、もうかなり被害でてからだったじゃん?目の色が変わったの、勝さんが病院送りになって、ボロボロになった姿目の当たりにした直後だったよね?
大庭:え……。
神前:…そ、それは、たまたま!
大庭:お前…もしかして、俺がやられたのにカッとなって…。
神前:な、なわけねぇだろ!調子に乗るんじゃねぇ!!!
犬飼:…千尋さん、顔が真っ赤です。
神前:……!!
大庭:…は、ははは、そうだったのか。へー、お前がねぇ…へへ。
神前:違うって言ってんだろ!!あークソっ、…だからこの話はしたくなかったんだ!
大庭:照れんなよー、コイツー!あいだっ!!!(タライ落下)
神前:ざまぁみろ。
大庭:なんでお前には落ちてこねぇんだよ!!!いでーっ!!!(タライ落下)


兄貴:あーあーあー、ガキだなアイツら。
財前:昔から変わりませんねー。仲良しなくせに全然お互い素直じゃない。
犬飼:あの…、そんな大事件だったってことは、千尋さんはなんか処分とかは…。
兄貴:先に手出して来てたのは向こうだし、更に鉄パイプやら何やら持って怪我させてたのを警察に突き出しただけだからな。神前は素手だったし、気を失わせる程度で留めてたから、色々目瞑ってもらったんだよ。ウチの学校がよーく世話になってる刑事さんには説教されてたけどな。1人で乗り込むなんて危ないって。
財前:でもねー、大人数相手に1人で勝っちゃったもんだから、一気に有名になって大変な高校生活になっちゃったんだよ。後先考えないで馬鹿だよねぇ。
犬飼:馨さんは高校別々だったんですよね?その割には詳しいというか…。
財前:学校は違ってもずーっとつるんでたから。だから勝さんとも顔見知りだったし、兄貴とも高校の時から知りあいだよ。
犬飼:そうなんですか。じゃあ、絡まれちゃった時とかは、馨さんも喧嘩を…?
財前:多少は手貸したけど、ほとんど一人でどうにかしてたよ。アイツああ見えてホント強いから。
兄貴:…なァ、確かあの時「神前千尋には目で人を殺せる手下がいる」って噂も一緒に流れてたと思うが…、お前だって大庭がやられて一人で――…
財前:あーにき。その話は、おしまいです。俺は本当に何もしてませんから。
犬飼:…馨さん。
兄貴:ヘイヘイ。…全く、ホントに素直じゃないのは誰だよ。



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