企画 | ナノ

02.神前千尋にお願い!V





(BGM:ベ/ート/ーベ/ン「悲/愴 第2楽章」)
(SE:静かな風の音)

(台車の上に置かれた椅子に座り、取っ手の部分に肘をついている。力を掛け過ぎると時折ガタッと音がし、バランスを崩しそうになっているのが見てとれるだろう。白い南瓜パンツに青い上着、黒いブーツとスタンダードな王子服に身を包み、髪は後ろで一つに束ねられている。さり気無く左手で押さえた小鳥の置物は、時々自分で動かしているという状況。)

気が付けばいつも、そっと寄り添ってくれる
心と心 どこか似ている
聞こえますか、私の駒鳥  (SE:ピヨピヨ)
雲の様に純粋で
人を惹きつけたら離さない
それはまるで、蜘蛛の糸
その糸はいつからか 私に絡みつき離れない
嗚呼、駒鳥 私の駒鳥  (SE:ピヨピヨ)

君は今日、誰を弄って遊んでいるの…? (SE:風の音)


・・・
・・



兄貴:…ぶっ、っ…ぶ、ぶふっ…
犬飼:…っ、く、くく…ぶふっ…
大庭:ぶふふふふ…ッ、

財前:ハイ、カットー。
神前:笑うならいっそ盛大に笑えよ辛いわ!!!
大庭:だはははははは!!!駒鳥っておまっ、ぶあはははは!!
犬飼:ちょ、ごめなさっ、あはははは!
財前:もう少し気持ちを込めて、抑揚つけないとダメじゃん千尋。棒読み過ぎでしょ。
兄貴:いやー、傑作傑作。お前の発想の貧相さが存分に滲み出た素晴らしい作品だ。
神前:俺じゃねぇ!!!半分以上コイツだ!!!!
財前:名越さんを駒鳥と表現したのはお前でしょ。
神前:ぐっ…、つかなんで鳥の鳴き声がヒヨコなんだよ可笑しいだろ!
大庭:ヒヨコだって鳥だろうが!
神前:置物よく見ろこの馬鹿!これがヒヨコに見えんのか馬鹿!!
大庭:あァ!?バカバカうっせぇぶぁーかっ!!!

(喧嘩中)

兄貴:羞恥心の針が振り切ってテンション高いな神前。
犬飼:もっと嫌がるかと思いましたけど、意外とすんなりやりましたね。
財前:感謝の気持ちは間違いなくあるからね。あとほら、神前が最初に提出してきた台本。

真面目にやらなきゃ
殺される
うちの駒鳥女王級

兄貴:アイツ馬鹿なの?
犬飼:語呂はちゃんと合わせてる辺り律儀な人ですね。
財前:名越さんはそこまでしないでしょ、妥協は許さないって書いてたけど。ごめんね名越さん、あとでこれ編集してプレゼントするから許してー。
犬飼:俺にも!下さい!!!!
財前:ちなみに名越さんからのお願いはあと2つありまーす。

神前:……え?


Fin…

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