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01.神前千尋にお願い!U



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店長:はーい、続き。一応正確に教えるとね、アタシが元々そういう系で総長やってたわけだけど、成人と同時に退いたわけよ。まあ繋がりはあったんだけどねぇ。いつの頃だったか忘れたけど、やたらと神前ちゃんの話を聞くようになったから、興味があって。
神前:……どんな話すか。
店長:えー?なんかデカくてムカつくーとか、××の所のなんちゃらの彼女が神前に惚れて抗争になったーとか、一緒に居る赤髪がアホでソイツの世話してる時の神前はオカンだ、とか…。
神前:待ってくれ、最後の待ってくれ。
店長:事実でしょ?たまに来る、頭にタオル巻いた引っ越し業者のイケメンくんよね?
神前:…イケ、メン?アレが?
店長:でも一番みんなが話してたのって、神前には目で人を殺せる手下が居る、って。
神前:…………それって、

\呼んだかなー?/


神前:……(寒気)
店長:残念ながらその凄い手下くんがどの子か解らなくって。今度紹介してよ。凄い美人なのに立ってるだけで怖すぎておしっこちびっちゃうレベルだって聞いたんだけど。
神前:RPGだったらラスボス級だ…。
店長:えーっ、ホントに?そんな子手下にするなんて神前ちゃんよっぽど強かったのか人望があったのかしら。
神前:(…本人の前で俺の手下だなんて言ったら俺が死ぬ絶対死ぬ)
店長:まあそういう噂もあって、貴方の事見かけたことあるけど、好んで喧嘩するタイプに見えなかったし、アタシが声かけたらそれこそ喧嘩になっちゃうわーって思って我慢してて。そしたらなんと!その神前千尋は高校卒業と同時にすっぱり足洗ったっていうじゃないの!さらに進学した先が調理の大学!これはもう会いに行くしかないじゃない?うちの店で働けって脅すしかないじゃない!
神前:脅す意味が解らんわ!
店長:だぁって、ただうちで働けって言ったって神前ちゃん働いてくれなかったでしょ!アタシの素性を知ったら絶対断固として働かないでしょ!?
神前:実際全力で断った。
店長:だからボコボコにしたのよ☆
神前:…………捻り潰された、って言葉が正しかったな。滅茶苦茶強かったこの人。
店長:あら、アタシの頬に拳掠らせたのはアナタが2人目よ?誇りなさいな。
神前:…もう1人いるのか。
店長:思い切り右の頬殴られたわ。痛かったのよ〜。でもそのおかげでアタシ、目が醒めたの。友の諭しの一発は効くものねぇ。ってアタシの話はいいのよ。そういうわけで、神前ちゃんはアタシとの勝負に負けたのでバイトすることになったのです。
神前:一方的な取り決めと制約の元で突然行われた勝負だったけどな…。
店長:細かい事は気にしない〜。神前ちゃんのおかげで、「ファンシーな洋菓子店にどう見てもアレな強面がいる」「怖いけどギャップが良い!」とか「弄ると結構面白い店員がいる」とか「いつもイベントの時にやたらデカい着ぐるみがいる」なーんて評判になって売上も打ち上げ花火状態よ!
神前:急上昇してるのは解るが、打ち上げ花火だとその後消えてくんじゃ。
店長:儚く消える前に次を続けて打ち上げれば問題なーし。ちなみにアタシが店を始めた理由は単純よ。お菓子や可愛い物が大好きなの。自分好みに飾り付けた店内で、宝石や小物みたいに可愛くて美味しいお菓子を売りたかったの。散々馬鹿にされてグレた結果が悲惨なもんだったけど…、結果的には良い店と、良い子達に巡り合えて順風満帆。幸せよ、ありがとね神前ちゃん。
神前:……そうかよ。ならいいっす。(照)
店長:なーんて綺麗にまとめたところでこの質問は此れでおしまい!参加とお願い、どうもありがとね〜!


fin...

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