皆さん、はじめまして。ぼくの名前はヤナップといいます。ぼくは、サンヨウジムリーダー兼ポケモンソムリエである紳士で素敵なご主人様のヴィンテージです。 ぼくはサトシさんのミジュマルにジム戦で負けてしまいました。ぼくはとても悔しかったのですが、ご主人様はそこまででもなかったようで。あれよあれよ、という間にぼくはバオップやヒヤップ達と離れ、ご主人様と一緒に旅に出ることになりました。………予想外です。 そんなある日、ぼくは池の近くを一人でトコトコお散歩していました。実はサトシさんがジム戦前の練習試合ということで、ご主人様に勝負を申し出たのです。サトシさんは次のジム戦でアーティさんに挑戦することになっていたので、ご主人様はむしタイプであるイシズマイを選びました。………つまり、ぼくは出番なし、ということですね。 そんなバトルを見ていてもつまらないので、ぼくはお散歩に出かけることにしたのです。大丈夫、ぼくはそんなに遠くには行きません。 それにしても、ここの辺りは自然が豊かだなあ。花がいっぱいで水が綺麗。草タイプの僕にとってはまるで天国のよう。 ぼくは池の近くにちょこんと腰を降ろしました。水面に映るぼくの顔………、うん、今日もばっちり決まってる。 それにしても今日はほんとにポカポカしてて気持ちいいなあ………。そう思ったら突然睡魔が襲ってきました。寝ちゃ駄目だ、ご主人様のところに戻らなくちゃ。………そう思う反面、ぼくのまぶたはくっついていってしまいます。 ご主人様、ごめんなさい。ぼくは睡魔に負けてしまいました………。 「ヤナップー!どこだーい!?」 「ヤナップー!!」 遠くから、ご主人様とアイリスさんの声がしました。ぼくにはきちんと聞こえてるんですが、敢えて寝たフリをしてみます。 「デント!ヤナップいたわよ!」 「ほんとかい!?うわっ………、こんなところに………」 ご主人様の靴が草の上を駆けて、ぼくのところに近付いてきました。その後、ご主人様の暖かい腕がぼくの身体を包み込んで、ぼくはご主人様に抱き上げられました。 「ふふふっ、ヤナップ可愛いわね」 「だろう?」 アイリスさんの言葉に、ご主人様は嬉しそうに応えました。その後、ご主人様の指がぼくの口をキュッと閉じました。………どうやら知らないうちに、ぼくの口は半開きになっていたようです。ちょっぴり恥ずかしいなあ。 「何だか」 「ん?」 「………デント、パパみたい」 こうしてると、ね。 ぼくはタマゴから産まれてすぐにご主人様のところに来たので、パパという存在を知りません。でも、知らなくても悲しいだなんて全然思ったことはありません。―――だって、ぼくはご主人様からのたくさんの愛情をもらってるから。 「じゃあ………、さしずめ、アイリスはママかな?」 「ちょ………!デ、デントったら!!」 ご主人様がクスクス笑いながら言った言葉に、アイリスさんの声がうわずって。目を閉じているので断言は出来ないのですが、恐らくアイリスさんは顔をりんごのように真っ赤にしてるのでしょう。 「………そうなれたらいいね」 ご主人様の言葉に、アイリスさんからの返事はなく。そうっとちらりと目を開けてアイリスさんを見てみると、アイリスさんは顔から湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にしていて。………返事が出来ないことに納得しました。 「ヤナップ、すごいなあお前!料理の手伝いが出来るんだもんな!」 「ピ〜カ!」 「デント、これすっごく美味しい!!」 「キバキバ!」 「そう言ってもらえたら作った甲斐があるよ。な?ヤナップ」 「ナァップ!!」 ぼくはドーンと胸を張ってみせました。アイリスさんに夢中なご主人様だけど―――、ぼくはやっぱりご主人様が大好きだ!! バオップ、ヒヤップ、元気にしてるかなあ。2人がいなくてちょっぴり寂しいなって思う時もあるけれど―――、ぼくは今日もご主人様と一緒に頑張っているよ。 ある晴れた日のお話 (今日もぼくは元気だよ) *** 相互リンクさせていただいた後、押し付けがましくもリクエストさせて頂いたら、ななななんとこんなにもはやく書いてくださりましたっ…!ヤナップ視点からでもラブラブなデンアイ…!お昼寝をするヤナップを想像してヤナップ好きの私はハートを射ぬかれてしまいました…っ(笑)鈴蘭ちゃん!素敵な小説をありがとうごさいました! |