DT設定三つ子
2011/03/24 22:40

※サンヨウ三つ子=ダークトリニティ特殊設定










「ふふふふ、あはははっ!」

突然狂ったように笑い出した兄弟から俺は目を逸らす事が出来なかった。現実から目をそらしちゃ駄目だ、そうもう一人の俺が囁いたからだ。


月明りが仄かに差し込む静かな部屋にその笑い声はやけに虚しくそして大きく響く。


俺の傍らに立っていたデントはその狂った兄弟を哀れみを含んだような目で見つめ、静かに涙を流した。





「ねぇ、コーンはどうすればいいの?ねぇ、デント、ポッド、教えてよ、ねぇ、」





コーンはずっと狂ったように笑い続けている。ある時ふと、コーンの頬からぽたりと雫が落ちた。俺は黙ってそれを見ているしかなかった。そうする以外に何をすればいいのか分からないから。一緒に泣く事も、励ます事も出来ないなんて、俺はなんて無力なんだろう。だから、たとえコーンが助けを求めるように縋り付いてきたとしてもきっと俺はどうする事も出来ないだろう。悔しさ、哀しさ、寂しさ、はたまた憎悪か。色々な感情が一度にぐちゃぐちゃに混ざって気持ちが悪い。思わず唇を噛み締めるとじわり、と血の味がした。