デントとコーン(とポッド) 2011/06/27 23:46 ※BLです苦手な方は注意 ※デントがこわい 「ポッドの瞳にずっと僕だけが映るようにするにはどうしたらいいんだろう?」 厨房での片付けももう少しで終わりそうな頃。いつものように隣りで洗った食器を手際よく拭いていたデントはいきなりこんな事を言った。独り事のようにも聞こえるその唐突で小さな問い掛けにコーンは同じように食器を拭きながら静かに答えました。 「…?…ポッドに見ていて欲しいって事ですか」 「うん、そうなんだ。ずっと見ていて欲しいの」 「なら、ポッドに振り向いてもらえるように努力すればいいじゃないですか」 デントがポッドに対しての気持ちは前から知っていたけれど。でも、゛僕をずっと見ていて欲しい゛なんて、デントが自分の気持ちをこんなにも素直に言葉にするような事なんて今までにあったでしょうか…? 何処か違和感を感じながらデントを見やると、デントは少し考えているようでした。それから少しの間の後、考えがまとまったのかゆっくりと顔を上げたデントは、とてもいつものデントとは思えない程狂気な微笑みを浮かべていたのでした。 「そうか、ポッドの瞳に僕だけが映るようにしたいのなら、ポッドの紅い目を綺麗に抉り取って、ずっと僕のものにしちゃえばいいんだ!」 きっと綺麗なんだろうなぁ、ポッドの紅い瞳。 妖艶に微笑みながら、そんな恐ろしい言葉を吐いた兄弟に対して心の底からじわじわと沸いてきた悍ましい恐怖をコーンは忘れることはないでしょう。 僕はその恐怖をデントに悟られないように、必死に感情を隠しながら手を動かし続けたのでした。 *** 自分でも一体何が書きたかったのかわからないシリーズ… |