デントとアイリス
2011/05/28 19:29

※モンメン回ネタバレ注意!














「…アイリスは本当に恋が何か分かってるんだよね?」


きらきらと輝くダイヤモンドブリーズに乗って飛んで行くモンメン達を見送りながら、デントが半ば呆れたような顔をしてそんな事を言ってきたものだから、なんだか悔しくなって手に持っていた瑞々しい林檎を思い切りかじってやった。しゃりっといい音がして染み出た水分が飛んで弾ける。うーん、自然そのままの林檎はとっても美味しい。


「わ、分かってるわよ!サトシじゃあるまいし」


「……恋を語りながら物を食べる子なんて今までみたことがないんだけど」


アイリスもやっぱり子供じゃないか、と苦笑するデントにあたしは林檎を投げ付けてやろうかと思ったけど止めた。そんな事したらまた子供だって笑われるに決まってる。


「なぁなぁ2人共、結局カップルってなんだったんだよー!大切な仲間って事でいいんじゃないのか?」


そんなあたしの心中を全く知らないデントは突如騒ぎ始めたお子様にだからカップルっていうのはね、なんて偉そうに説明し始めた。なによ。あたしの気持ちにはぜーんぜん気がついてくれないくせに。苛々の衝動のままあたしはまた林檎にかじりつく。少し酸化が始まって茶色に変色し始めた林檎は甘酸っぱかった。あーあ、なんでこんなにももやもやするのかしら。



ふわふわと気持ち良さそうに飛んでいくモンメン達のカップル。ちょっと羨ましいなんて思ったのは内緒なんだから。