サトシとデント
2011/04/24 10:38

※アニメ設定
※あんまりサトシがサトシっぽくないです。








「デントってさ、」


「ん?」


「アイリスの事好きなんだろ?」



ぼんっ。そんな効果音が付いてしまいそうな勢いで僕の体温は急上昇。きっと顔も赤くなってるんだろうなぁ。というか、なんで、なんでバレてるの。恥ずかしくなった僕は手に持っていたクロッシュを磨くフリをしてニヤニヤと怪しい笑みを浮かべているサトシから目を逸した。そんな僕を見てサトシは更に面白そうに微笑み、テーブルに頬杖を付いてこう続ける。


「やっぱりなー」


怪しいと思ってたんだよなーと言いながらピカチュウと戯れるサトシに何も言い返す事が出来なかった。まさか、サトシが気が付いていたなんて。僕がアイリスの事好きだって事に。



「俺ってさ、」


たしかにデントよりは子供だし、アイリスにも子供扱いされるけど、


「ちゃんと、気が付く所は気が付いてるだろ?」



…そうか、子供っぽいという印象があったから、誰も気がつかなったけど、サトシは、ポケモンの気持ちを汲み取ったり、人の心を見るのが上手いんだ。だから、僕のアイリスに対する気持ちにも気が付いた、と。



「…あ、アイリスには言わないでくれよ」


「…それはどうかな。だって、」



折角アイリスも想ってくれてるのにさ。



がちゃん!と大きな音がしたと思ったら、僕が手に持っていたクロッシュが地面に落ちる音だった。僕はそれを拾いあげる事も忘れて硬直。サトシ、君は今なんて…?


「じゃ、頑張れよっ!」


「…さ、サトシ!君今なんて言ったの!もう一回言って!」


慌ててクロッシュを拾いあげて、ピカチュウと共に席を立ち、歩き出したサトシを追いかける。でも、いくら問い掛けても彼は自分で考えろーなんて呑気に言っただけで何も教えてはくれなかったんだ。








***

こんなんサトシじゃない…