ジュンとコウキとヒカリ
2011/04/16 18:43

※コウキ君のキャラがちょっと…


※ジュン目線








「あーっ!」
「ああーーーっ!」



テンガン山の麓でポケモン達を鍛えていた俺は、ばったりヒカリと会った。ヒカリの驚く顔を見た瞬間、俺のテンションはがた落ち。あーもー!なんだってんだよー!!…よりによってコイツに会うなんて!


ヒカリは何かを見定めるようにして俺を眺め回した。そして、傍らにいた俺のムクバードを見て頷く。


「…ふーん、アンタもポケモン修行してんだ」


腰に手を当ててこちらを見てくるその様子は明らかに上から目線。なんかムカつくんですけど!


「…っ、それがどうしたってんだよ!!」


「別に、ただ面白いなって思っただけよ」


「あーもー!何が言いたいんだよ!!このばか!」


「…!、ば、馬鹿とは何よ馬鹿!」


「うるせーばかはばかなんだよばか!!」



「何よ!」

「なんだよ!」



うーと唸りつつ睨み合うと、目線がぶつかってばちばちと火花を散らす。そんな時、何処からかぼんやりと声が聞こえたような気がするけど、俺は空耳だと思って聞き流した。


(…ねえ、ねえってば)



「もうジュンなんか知らないから」


「俺だって!」


ふん!と言ってヒカリから背を向けると、今度は振り返った先で2つの目とばっちり視線があった。その目は恐ろしいくらい吊上がっている。え、と俺が間抜けな声を出すと同時に凄い怒鳴り声が耳を貫いた。


「うるさぁぁぁぁい!!」


その怒鳴り声はテンガン山の洞窟の中を反響。きっと山頂まで響き渡っただろう。そう思ってしまうくらいに凄かった。耳がきーんとして頭がぐわんぐわんする。それは先程まで共に怒鳴り合っていたヒカリも同じようで、顔をしかめて耳に手を当てていた。


怒鳴り声の主は、コウキだった。あんな静かな奴がこんな声出すとは微塵も思ってもいなかった俺は驚きのあまりしばらく動けなかった。コウキはそんな中凄い笑顔。でも笑っているのは顔だけで、その背後からは何かどす黒いオーラがもわんもわんと出ている。怖い怖い怖い。つーかコイツいつから俺の後ろにいたんだろう。そう思った時ふと、コウキは笑った。



「…2人共、僕の声が聞こえなかったのかなぁ?いい加減黙ってね。というか黙れ」





「…すいませんでした」

「次からは気をつけます」





***

我が家のコウキ君はキレるとこんな感じです。ジュンが言う「馬鹿」というのがひらがなの「ばか」になってるのはわざとです。コウキ君初登場がこんなんで本当にごめんね。これも愛故です。