※R-15表現注意

膝に心地よい重さを感じながら、祇を捲る

すーすー、と気持ち良さそうな寝息をBGMに日向ぼっこをしながら彼女は本を読んでいた

時折柔らかな髪を撫で、ふと頭の中に昨日の出来事を思い浮かべる

加古の隣で笑っていた男に、嫉妬を覚えた

この子は私のものなのに

でも、もしかしたらこの子はいつか私を捨てて男の人とお付き合いをするのかもしれない

その時、私はどうなるのだろうか

そんな考えがよぎった時、「ん、」と声が聞こえ、ゆっくり顔を下に向けた


「目が覚めた?」


加古は眠たい瞼を軽くこすり、真上をみた

横から伸びてきた手によりこするのを止められたので、そのままその手に指を絡めてみた


「寝るつもりはなかったんだけど」

「10分ぐらいしかたってないよ」

「そういう問題じゃないの」


貴女が私を甘やかすから、と文句を言う

寝るつもりなど本当になかった

彼女と戯れ、暖かな日差しも相まって眠ってしまった

甘やかした仕返しとばかりに指を絡めていない方の手で服を引っ張り、無理やり顔を近づける

後頭部に感じる女性特有の柔らかな太ももの感触と、唇に感じる柔なや感覚に満足し、それをはなした


「のぞみ」

「ふふっ、貴女いますごく情けない顔をしているわ」


絡めた指をゆっくりほどき、すすすー、と指を腕から手の甲の方に滑らせる

ん、と甘い声が聞こえて、止める


「いつもは私を守ってくれて、まるで王子様みたい」


ニコニコ笑い、手をめいっぱいに伸ばし彼女の頬を優しく挟む


「何、考えていたの?」

「望がいつか、私のそばから離れるかもって」

「バカみたいなこと言わないで」


むす、と表情を曇らせた加古にごめんと慌てて謝る彼女にまたご機嫌そうな表情にもどす


「不安なら、ずっと私の王子様で居ればいいじゃない」


加古望の王子様、加古望を守る者

それは近界民、戦闘面だけではない

私生活でも、彼女は加古を大切に、それはまるでお姫様とそれに従う騎士のように大切にしてくれている

ふふ、と笑い加古は彼女の手を口元まで持っていき、己の唇にはさみ、食んでいく

時々舌を使って舐めてみせると彼女の顔はみるみるうちに真っ赤になっていくのだ


「望、あまりそういうの」

「だめ?」


そう聞き、首をわざとらしく傾げれば彼女が止めることが出来ないと知っている

クスクスと笑って、再び食むことを続ければ、甘い吐息と水音だけがこの陽だまりの空間に響いていく

手を舐めながらイヤらしく笑ってみせると、彼女はもうやめてと言わんばかりに空いている手で私の目を覆った

なら、こうしてしまえとこちらも負けじともう一つの手で彼女の服に忍び込み、脇腹を優しく撫でる

顔を真っ赤にし、声を我慢するように唇を噛む彼女は、それでも抵抗するようにはみえなかった

お姫様にされるがままな愛しい騎士様は、きっともう、加古無しでは生きていけないのだろう

加古はそれに大変満足していた

彼女は私のもの

私だけの愛しい人

もっともっと、ぐちゃぐちゃに甘やかして本当に私だけのものにしたい、私だけしか見れないようにしたい

それこそ、そのへんにいる男共など気にすることが出来ないくらいに愛されたい愛したい


「ひざまくらのお礼してあげる」


体を起こし、彼女に深く深く口付けをおくりながらゆっくりと押し倒していく

これだけですでに蕩けたような表情をしている彼女に舌なめずりをし、ゆっくり服をはだけさせていく

こうなってしまえばもうそこに王子様も騎士もいない

加古望だけの可愛い可愛いお姫様のできあがりだ

加古は満足そうに笑い、愛しく喘ぐ彼女を横目にカーテンを閉めたのだった



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