設定いち。私は二重人格者である。設定に。私はサイコパスであり、人を殺すことに快感を覚える。設定さん。私はニンフォフィリアでありネクロフィリアである。設定よん。私はカニバリズムを日常的に行っている。設定ご。私はレズビアンである。

 私は退屈な日常を退屈そうに過ごすただの高校生だったが、沢山の設定があり、最近では退屈な日常を退屈せずに送ることが出来ている。
 ただ、何となくつけた設定。面白半分、興味半分。悪ふざけなんてのも含まれていたかもしれない。私に人を殺す度胸なんて無いし、私は二重人格者ではない。私は幼児が好きなわけでは無いし、勿論死体を愛したことなんて一度も無い。人肉を食べるなんて非日常的な事は意識中にあった事も無い。そして私は異性愛者だ。
 しかし、設定の定義というのは難しい。二重人格者であるという設定の私は、二重人格者でないといけない。サイコパスであるという設定の私はサイコパスでないといけない。そう考え出した途端、私が考えた面白半分、興味半分、悪ふざけ少々の『設定』はいつのまにか大真面目の『設定』に変わっていた。

 私の中にはもう一人の人格が居る。私が幼い頃母に暴力を受けていた時、自分の身を守るために自分自身が作り出したもう一人の人格だ。名前をミイサと言うらしい。私と彼女は同時に表に出てくることは無いが、脳の奥でお互いを認識している。

 私は連続殺人犯である。殺人対象は幼児であり、その死体を綺麗に洗って服を着せる。そしてその幼児の性別は全てメスである。私はその子を大切に大切に愛した後に、死体をばらばらに解体して、得意ではない料理を行う。最終的に私が殺した女児は、私の胃袋に全て収まる。それこそが私の愛情である。


 ――というのは私が作りだした設定である。全てが設定である。現実か非現実かはどうでもいい、全て私の設定である。
 私の横に横たわる女児には首が無い。ドクドクと溢れ出す血の匂いが私の鼻腔をくすぐる。これも私の設定。全て設定なのだと、私は考えている。この世の中は設定で出来ている。設定だらけの世の中。みんなはその設定に沿って生きていく。それがつまらないと感じたときに、人間は自分で新たに設定を作る。
 私は女児の血をぺロリと舐めた。甘く美味しいのも設定だ。彼女の胸辺りについている名札には、斉藤美香と書かれているが、これも設定。
 この女児が私に殺される事も、設定で。それは仕方がない事で。私は設定に沿って生きているわけで。何も、誰も、悪くない。

 さて、次の設定は私がこの女児の体をたっぷり愛してあげることらしい。その次はきっと大きな圧力鍋に女児の体を入れて――。

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