今日の学校はやけに静かだ
先生が居ない、生徒は……居ると言えば居る。でも皆床に転がっている。血みたいな赤いのが教室中に飛び散っていて、鉄の匂いが部屋に充満していた。
私、なんで此処に立ってるの? 

ふと、転がる生徒達を見た。
セーラーの胸の部分が真っ赤に染まった女子生徒。この前まで私の友達だった。でも急に陰で悪口を言われるようになって、ムカついていた。消えてくれて嬉しい。
顔に沢山の傷がついている男子生徒。私の事を一々馬鹿にしてきた、何度止めてと言っても止めてくれなくて嫌気が差していた。消えてくれてサッパリしている。

私は足を進めた。真っ白な上靴は何時の間にか真っ赤になっていて、それはそれでキレイだなんて思った。
ピチャピチャと歩くたびに地面から音がなる。この汚い音は私が出しているんだって考えたら急に気分が悪くなって、胃の中のモノを全て地面に出した。丁度真下に居た女子生徒にソレがかかってしまったけど、彼女は眉間に皺を寄せることもせずにただ瞼を下ろしていた。

私は窓に近づいた。此処は4階で、窓から見える景色は空。下を見ると幾つもの赤い光。


助けが来たのかも、だって今の学校の様子はフツウじゃない。彼等が私をフツウの世界に戻してくれるのかも、そんな事を思った。

後ろから声がして、振り向く。そしたら、地面に倒れてた一人の女子生徒が私に何かを言った。息が交じった声で、よく聞こえない。「なんて?」って聞き返したら、やっと彼女の言葉を聞き取れた

「人殺しッ」

彼女の瞳には憎しみが篭っていたけど、それもすぐに無くなって瞳は何も映さなくなった。それを美しいなんて思った自分が居て、やっと私はフツウじゃないのは自分だと気付けた。

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