初めて人を好きになった。が、間違えた。完全に間違えた奴を好きになってしまった。

その人は優しい。だが、みんなに優しい。特に女の子に優しい。みんなにね。つまりただの女好きだ。しくった。

そんでもって話しやすい。話しかけてくれるところがいいところだ。だが、みんなに話しかける。別にあたしにだけ話しかけるわけじゃない。つまりただの女好きだ。しくった。

さらにそいつは、自分から告白したことがないと言っていた。今までに数回付き合ったことがあるらしい。告白されたことしかないというわけだ。つまり自分はもてると思ってる。イケメンでもないくせに、前述した通り女の子に好かれる性格だからって調子乗ってんなあいつ。先輩だけど。

そんなわけで、少し話が合うだけで別にあたしのことなんてどうとも思ってないだろうがあたしはと言えばうっかり目で追うようになってしまった。こんなのあいつの思惑通りだ。この手に引っかかってあの腐れ先輩を好きになる女の子なんてたくさんいるだろうよ。しかしあたしは、そんなよくあるパターンの女にはなりたくない。実際はそうなんだけどね、数多い女の一人なんだけどね、まあ会っただけで一日テンション上がるようじゃ終わってるな。

ほら今だって、あたしの二個上の先輩(♀)と楽しそうに話してる。あの先輩に告白したって噂も聞いたな。ああくそ、泣きそうだ。それもこれも、あのくそ野郎があたしを後輩の中で一番推しメンだとか言いやがるからだ。別に期待なんてしてないからな腐れ野郎め




秋雨前線




それでもあいつから目を離せない自分、もう笑うしかない

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