俺たちが一体何をしたって言うんだ。



「おいマイク!逃げろ!奴らが来る!」

「スティーブ待て!そっちにはあいつらが仕掛けたトラップが、」

「な、なんなんだこれは…もしやこれが噂の……!」

「スティーブ!スティーブ頑張るんだ!」

「無理だ、これ以上やったら足がもげる……おれのことはいい、お前はナンシーとジョバンニを連れて逃げるんだ!」

「そんな…スティーブ……!」



先週ミカエルが同じ手に引っかかって、数日後餓死死体として発見された。何だってんだ。俺たちはただ生きてるだけなのに、必死で生活してるだけなのに、なぜ表舞台に出た瞬間煙たがられるんだ。俺らは光を浴びちゃいけないのか。俺らは一生太陽の下に出られないというのか。そこに存在するだけで殺される、そんな理不尽なことがあっていいものか!



「まずい、奴らが本格的に動きだした!」

「マイク、あいつスプレー持ってるぞ!」

「飛べ!あのスプレーにかかったら最後だ!みんな絶対死ぬなよ!」



俺はこの茶色くて硬い体が嫌いだ。外見だけでいうなら、夏休み人間の子どもたちが好き好んでとりにいくカブトムシとかとなんら変わらない。なのになぜ、俺たちはこんなに嫌われるんだ!あいつらに何か危害を加えたわけでもないのに!ああもう、次生まれてくるなら





蝶になりたい!


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