どうだろう。特にすることもなく、やることと言えば専らテレビを見ることとパソコンを開くこと。気が向けば新聞を読んだり本を読んだりする。本って言ってもラノベだ。あとは時間になったら勝手に出てくる食事を三回とること。最強に暇人である。もし僕がツイッターをやってたら、二分に一回というハイすぎるペースでつぶやくことだろう。

今日は何をしようか。あまり動くのもだるいからとりあえずテレビをつける。うまいことに僕の好きなお笑い芸人が出ていた。うける。大爆笑したらむせ込んで、咳が止まらなくなった。そのあとパソコンを開いて、ニコニコするために動画を見にいったりちょっと気になってた恋愛シュミレーションゲームを違法ダウンロードしたりして時間を過ごした。ニート?なんとでも言えばいい。どうせ僕は朝から晩までネットサーフィンかテレビ、もしくはラノベだ。全力で駄目人間を全うしてる。



「ご飯よー、今日は鮭にしてみました」



何が鮭って、雑炊的なものの上に乗ってる具のことだ。昨日はうめぼしだった。



「なに、またパソコン?好きねえ」



首を縦に振るか横に振るかでしか答えない僕に、ひたすら話しかけてくるこの女も大概暇人だ。僕は特に反応しない。ちらりとそいつの目を見るだけ。



「また、夕飯になったら来るから」



別に来なくてもいい。僕はどっちかっていうとこの一人の空間が好きだ。言った通り行動が全体的にニート、むしろ廃人だ。起きている時は9割9分ネット。掲示板での廃人トークは必須。僕はここでしか人と話せない。文字でしか人と話せない。コミュニケーション能力が極めて低い人間なんだ。今に始まったことじゃあ、ない。

最近はトイレに行くのさえだるくなって、部屋に僕専用のトイレが欲しいとまで思うようになった。ついでにテレビの電源を付けるのも、マウスを動かすのも、とにかくだるい。もちろんラノベを手に取ってページをめくるなんてことはできない。大好きなはずのお笑いを見て、笑うのもかったるい。笑いたいが笑えない。どうしたものか。生活がだらだらし過ぎだとは思うがこればかりは仕方がない。僕は廃人だ。

右を見ても左を見ても、何のものかよく分からないコードがからまりあってる。あれはパソコンのコード、それはDSの充電器のコード、これは携帯の充電器のコード。あとは分からない。僕の腕からのびる管、これは一体いつからあったっけか。

夕飯を運びにさっきの女が来た。だめだ、ご飯を食べるなんてそんな疲れることできない。まずスプーンを持つのがもはや面倒くさい。



「食べたくないの?」



お腹は減ってないが食べたくないわけでもない。ただ、スプーンを持つ気力がない。ついに僕は女の問いかけに首を振るのさえ止めた。答えてもなにも変わらない。目を開けてるのも面倒だ。女は俺を見て変な顔をしている。なんだ、僕のだめ人間さに今更気付いたのか。

結局その日から食事を取らなくなった。変わりに僕の腕からのびる管がもう一本増えた。僕のまわりはコードだらけ。

起きていても何もする気がしなくて、面倒くさがり屋の僕が紡ぎ出した結論は、寝ること。二十四時間のうち、八割方寝ている。夢の中の僕はなぜかすこぶる元気で、友達と外で走り回っている。夢は願望の現れだと聞いたことがあった。願望?まさか、僕は極度の面倒くさがりで上級の廃人だ。そんな僕が日光の下で遊ぼうなどという願望を持つはずがない。

コードはどんどん増えていく。それにしたがって、僕の睡眠時間もどんどん増えていった。駄目人間だと罵倒すればいい。今や僕は起き上がることさえしない。そして睡眠時間が極度に増えていった結果、世界で一番面倒くさがりの僕はついに目を覚ますことさえやめた。好きでも嫌いでもなかった白い部屋は、もう見なくて良さそうだ。




   





もしも次に気まぐれで目を覚ますようなことがあったなら、僕は

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