俺がトイレから帰ってくると、そこには仁王立ちのリンがいた 風来坊の来訪 「長いよ、大?大か?」 「女が大とか言うな阿呆」 「え、オブラートに包んだつもりだったんですが」 「包めてねえよ!つーかトイレで何が起こったかなんて聞くんじゃありません」 「女子校でしたから」 「関係ありません」 高校が女子校だったからか元々男っぽかったのが更に男らしい性格になりやがった。いや、小さいときからそんな性格だったか 「じゃ、トイレ行って確かめてくるわ」 「は」 「臭かったら大決定」 「ちょ、待てリンんんん!」 「んだよ、止めんな!俺は、俺は……っ!」 「いやいいからそういう無意味な小芝居とかいらないから求めてないから」 一緒懸命にこの女をトイレへ行かせまいとする理由は言わずもがなである。どうにかこうにか奴をリビングに引き戻し、俺は高速でトイレをファブりに行った。男であろうが女であろうが、あれに対し多少なりとも嫌悪感を持っているのは普遍的な事実だと思う。待て、何の話をしてるんだ俺は ピーンポーン 「…またか」 「海斗」 「はいはい」 夕食を作るのに忙しいらしい母さんに言われ、面倒だったがとりあえず肩に乗っかっていたたこやき(俺らの犬の名前)をその辺に下ろし、ついでに髪の毛も適当に直してから俺は玄関に向か……あれ、デジャブ 「…はーい」 玄関を開けようとしたところで俺は思いとどまる。嫌な予感が、 ガチャ 「ロイヤルストレートフラッーァァっ……!?おわっ、!」 「二度も引っかかってたまるかこのアホ兄妹」 「避けんなよ!危ないじゃないか!」 「知るか!避けんだろ普通!何なの?お前ら兄妹そろって俺に恨みでもあんの?」 「先週貸した120円、いや利息もついて102655円をまだ返してもらってない」 「おーし今すぐ帰れ」 てめーら打ち合わせでもしたんですかってほどに毎回毎回同じことをしてきやがるこの兄妹を誰かどうにかしてくれ。俺じゃあ到底扱えないことは、この19年で大いに理解した。無理。 「まあいいや。おっじゃまー」 「…おおいミュウ兄!勝手に入んじゃねえ!」 |