「旅行、行ってくるから」 真冬の十二月初め、事件は突然やってきた アクシデントは突然に ピンポーン 部活から帰ってきて風呂に入り、テレビでも見ようかと座ろうとした時そのチャイムは鳴った。 「海斗、出てきて」 昼食を作るのに忙しいらしい母さんに言われ、面倒だったがとりあえず肩に掛かっていたバスタオルをその辺に投げ捨て、ついでに髪の毛も適当に直してから俺は玄関に向かう。あ、インターホン出るの忘れた 「へーい」 「喰らえ!ロイヤルストレートフラーァァッシュ!」 「ふぐぉっ」 日曜日の正午、晴れやかなる空の下でなんて盛大なご訪問なんだ。帰れ。大体ロイヤルストレートフラッシュの使い方違くないか、そしてなぜ俺は玄関を開けた直後女に跳び蹴りをかまされなきゃならないんだ、なぜ必殺技みたいな感じになってるんだ! 「ちょ、リン!何お前!俺に恨みでもあんの!」 「昨日貸した120円、いや利息もついて32655円をまだ返してもらってない」 「利息って言葉理解してる?ねえ」 どっちかっていうと俺の方が恨みたい、こいつを。そういえば昨日も使用方法を大幅に間違えたなんとかって名前の技を同じように受けた。俺が阿呆なだけ? 「で、何」 「何が」 「なんでうち来たんだよ」 「ああ、聞いてない?今日パーチーだってよ、パーチー」 家族同士仲がいいのは問題ないけども今年に入って一体何回目?つーかなんのパーティー?ハロウィンパーティーとかクリスマスパーティーとかなら理解できる。この前なんてポッキーの日パーティーとか、なにそれそんなんだったら毎日何かしらパーティーできんじゃねーか! 「みたいな」 「は?」 「こっちの話」 「あっそ。おじゃましまーす!おばちゃん昨日ぶり」 「あら、リンちゃん!」 一通り母さんと世間話を終えたリンは、昼食の誘いを断ってテレビの前を我が物顔で陣取った。ちょっと待て、ここは俺ん家だチャンネル変えんなこのやろう!あ、いいとこだったのに昼ドラ |